東邦ガス(名古屋市)は、財務システムを「SAP S/4HANA Cloud」を中核としたクラウドオファリング「RISE with SAP」で移行し、本稼働を開始した。SAPジャパンが3月3日に発表した。
今回の財務システムの刷新では、RISE with SAPで提供されるマネージドサービスを前提に、事業環境の変化に柔軟に対応できるシステム基盤を実現した。SAPのクラウドサービスを活用することで、ハードウェアの調達業務が不要になり、半導体不足などの外的要因に影響されることなく、必要に応じてシステムを増強できるようになった。これにより柔軟にシステムを運用でき、迅速かつ効率的なシステム構築も実現した。
システム構築では、東邦ガス情報システムがプライムベンダーとなり、その高い技術力によって、既存システムからの移行プロジェクトを約1年半で完了。システムの安定稼働を実現した。
東邦ガスは、東海地域でガスを中心とするエネルギー事業を展開。近年は、カーボンニュートラルの進展、電気・都市ガス事業の小売全面自由化、原燃料の調達環境の変化、地政学リスクの高まりなど事業環境が急速に変化している。そのような変化に対応するため、同社は事業ポートフォリオ変革を進めている。
さらに同社は、DXの推進にも積極的に取り組んでいる。今後は、クラウド上で提供されるAI機能の活用や、データ分析をはじめとした先端デジタル技術の活用により、労働集約型業務の抜本的な改善と付加価値向上を目指す。