バローホールディングス、取引先とのデータ連携基盤を刷新--サプライチェーン全体での最適化を目指す

NO BUDGET

2025-03-04 14:13

 東海地方を中心に食品スーパーなどを展開するバローホールディングス(岐阜県多治見市)は、サプライチェーン全体の最適化を目指し、富士通のデータ連携基盤「Fujitsu Supply Chain Data Service」を導入した。まず、傘下の中部ミートが2月10日に運用を開始し、グループ中核企業8社にも順次展開する。富士通が3月4日に発表した。

 同社は、スーパーマーケット、ドラッグストア、ホームセンターなど多岐にわたる業態を展開し、食品、日用品、医薬品、資材など多様な商品を取り扱っている。従来は、商品ごとに複数のデータ連携システムを保有していたが、今回の導入により、これらのシステムを集約し、コスト削減を実現する。また、受発注データだけでなく、取引先を含めた在庫や物流データなど、さまざまなデータの連携、蓄積、活用が可能になる。

Fujitsu Supply Chain Data Serviceの活用イメージ(提供:富士通)
Fujitsu Supply Chain Data Serviceの活用イメージ(提供:富士通)

 Fujitsu Supply Chain Data Serviceは、流通ビジネスメッセージ標準(流通BMS)や各種電子データ交換(EDI)など、異なる定義のデータを変換・洗浄し、データ活用・分析の精度を向上させる。また1000を超える取引先との商流・物流データをデータレイクに蓄積し、APIでの活用も可能だ。さらに企業・団体などとのデータ共有を考慮した拡張性を提供する。

 富士通によれば、流通業界は多くの問題に直面している。例えば、在庫や物流管理の複雑さ、関係企業の増加、物流危機、自然災害などが挙げられる。従来の企業ごとのデータ管理や業界固有のデータ連携では、柔軟性に限界があり、安定したサプライチェーンの維持が難しくなっている。したがって、製造、物流、小売などの業界の壁を越えたデータ共有・連携によるサプライチェーン全体の最適化が必要とされている。

 バローホールディングスは、製造小売(SPA)を志向し、グループ内の約60社に及ぶ企業間の連携強化、物流変革、原価低減に注力している。今回、EDIシステムを刷新するに当たり、既存EDIシステムの導入実績や物流・標準化ノウハウを有する富士通が提携先として選ばれた。

 今後、富士通は、Fujitsu Supply Chain Data Serviceに関して、バローホールディングスのグループ企業への展開を支援する。さらに、サプライチェーンの上流に位置する製造業や卸売業も巻き込んだデータ連携を推進していく。これにより、リアルタイムなデータ参照による製造・在庫計画の最適化、および物流センターや取引先システムとの連携による物流効率化が期待される。

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