さまざまなLinuxディストリビューションの世界

「Ubuntu」と「Debian」の7つの主な違い--どんなユーザーに最適なのか

Jack Wallen (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2025-03-13 07:00

 非公式にではあるが、「Debian」は「全てのディストリビューションの母」と呼ばれている。「Ubuntu」がDebianをベースとしており、非常に多くのディストリビューションがUbuntuをベースとしていることがその理由の1つだ。例えば、「Ubuntu Budgie」はUbuntuをベースとしており、UbuntuはDebianをベースとしている。

 ただし、UbuntuがDebianをベースとしているからといって、両者が全く同じディストリビューションであるわけではない。実際にさまざまな相違点がある。明白な違いもあれば、あまり知られていない細かい違いもある。

 本記事では、全てのディストリビューションの母と、その最も重要な子の主な相違点を解説する。これらの違いを理解しておけば、自分の用途やニーズに適したディストリビューションを見極めるのも容易になるだろう。

1. 開発哲学

 Debianはコミュニティー主導のディストリビューションで、安定性と信頼性、オープンソースの原則に重点を置いている。Debianにはオープンソースソフトウェアだけが同梱されており、リリースサイクルはUbuntuよりもはるかに遅い。

 UbuntuはCanonicalによって開発されており、使いやすさとアクセシビリティーに重点を置いている。オープンソースソフトウェアとプロプライエタリーソフトウェアの両方をサポートし、Debianよりも頻繁にアップデートされる。

 どちらのディストリビューションも堅牢だが、このカテゴリーではDebianの哲学の方が優位性を持っている。その一方で、Ubuntuの使いやすさへの取り組みは成果を上げている。地球上で最も堅牢なOSの1つを利用したい人はDebianを選択してほしい。最新のハードウェアをサポートする極めてユーザーフレンドリーなOSを使ってみたい人はUbuntuを選んでほしい。

2. リリースサイクル

 Debianは2年ごとにリリースされる。安定性を優先するために長いテストフェーズを設けているからだ。

 Ubuntuは通常版が6カ月ごと長期サポート(LTS)版が2年ごとにリリースされる。

 新しい機能や頻繁なアップデートを好む人はUbuntuを選択してほしい。次の大きなリリースまで長期間待つことを気にしない人はDebianを選ぶといいだろう。

3. 使いやすさ

 Debianはインストールするのにも使用するのにも多少の知識が必要だが、それほど高度な知識やスキルが求められるわけではない。インストーラーは旧式かもしれないが、それでもポイント&クリックで操作することが可能だ。

 Ubuntuはインストーラーからデスクトップまで、最もユーザーフレンドリーなOSの1つである。また、新しいユーザーでも混乱しないデフォルト設定を備えているため、初めてのユーザーに非常に適している。

 表面的にはどちらのディストリビューションもユーザーフレンドリーだとみなすことが可能だが、これに関してはUbuntuの方が優れている。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]