4. パッケージ管理
Debianは「APT」パッケージマネージャーを採用しており、新機能よりも安定性を優先している。「Snap」ユニバーサルパッケージマネージャーはインストールされていない。
UbuntuはAPTパッケージマネージャーとSnapの両方を採用しているので、インストール可能なソフトウェアタイトルの数がDebianよりも大幅に多い。さらに、GUIアプリストアにもSnapのサポートが組み込まれている。
より多くのソフトウェア(「Slack」や「Spotify」などのプロプライエタリーなものを含む)を使用したい人にはUbuntuをお勧めする。全てのソフトウェアの最も安定したバージョンだけをシステム上で使いたい人にはDebianが最適だ。
5. サポート
Debianはコミュニティーによってのみサポートされており、開発とメンテナンスの両面でボランティアに依存している。
UbuntuはCanonicalによってサポートされており、プロフェッショナル(有料)サポートとコミュニティー主導のサポートの両方を提供している。
コミュニティー主導のサポートという概念が好きでない人にはUbuntuがお勧めだ。ほとんどのユーザーはコミュニティーサポートで十分だろう。「Linux」を社内で使用する場合は企業レベルのサポートが重要になる可能性もある。いずれにしても、DebianとUbuntuのサポートコミュニティーはどちらも非常に優れている。
6. プリインストールソフトウェア
Debianには最小限のソフトウェアしかプリインストールされていないためシステムは軽量だ。ユーザーは標準リポジトリーとサードパーティーのリポジトリーから自由にソフトウェアタイトルを追加できる(必ず最初に精査してから追加してほしい)。Snapをインストールして、さらに多くのソフトウェアにアクセスすることも可能だ。
UbuntuにはDebianよりも多くのソフトウェアがプリインストールされているため、最初のログイン後の作業が少なくて済む。Ubuntuにはプロプライエタリーなドライバーとコーデックも付属している。これらが付属していない場合、インストールに手間がかかる場合もある。
生産性と創造性を高めるのに必要なソフトウェアを自分でインストールすることに抵抗がない人にはDebianが最適だ。それ以外の人にとって、Ubuntuは「インストールしてすぐに使える」優れた選択肢である。
7. sudo
Debianにはsudoが含まれているが、必要なセキュリティグループ(sudo)に標準ユーザーが自動的に追加されることはない。つまり、昇格された権限を必要とするコマンドを実行するには、まずrootユーザーにsuする必要がある。
Ubuntuにはsudoが含まれており、OSのインストール中に作成されたユーザーはsudoグループに自動的に追加されるため、rootユーザーに変更する必要はない。実際のところ、Ubuntuではrootユーザーがデフォルトで無効になっている。
DebianとUbuntuはどちらも非常に安全だが、多くの人はユーザーを手動でsudoグループに追加する必要があることを余分な手間だと感じ、できれば避けたいと思うだろう。シンプルさを追求している人はUbuntuを選んでほしい。
DebianとUbuntuはどちらも、あらゆるタイプのユーザーにお勧めできる優れたOSだ。しかし、細かい違いや大きな違いを知っているかどうかが、シームレスな体験とそれほどシームレスではない体験の分かれ目になる可能性もある。DebianとUbuntuはそれぞれどんなタイプのユーザーに最適なのかと聞かれたら、UbuntuはLinuxの世界に初めて足を踏み入れるユーザーに適しており、Debianはもう少し経験を積んだユーザー向けだと答えるだろう。

提供:ZDNET
この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。