Teradataは3月12日、大規模べクトルストア「Teradata Enterprise Vector Store」を発表した。データ統合基盤「Teradata Vantage」に組み込まれ、ベクトルストア機能と検索拡張生成(RAG)アプリケーションを必要とするユースケースを実現するために設計されている。現在はプライベートプレビューの段階で、一般提供は2025年7月を予定。
Teradata Enterprise Vector Storeは、テキスト、動画、画像、PDFなどのマルチモーダル形式の非構造化データを管理することで、構造化データと非構造化データを統合し、包括的な分析を可能にする。エンベディング生成、インデックス作成からメタデータ管理、インテリジェント検索まで、ベクトルデータ管理のライフサイクル全体に対応する。
クラウド、オンプレミス、ハイブリッドなど多様な導入方法を提供し、「LangChain」やRAGなどのフレームワークにも対応する。また、時間の経過に伴うデータの変化を追跡する時間ベクトル埋め込み機能を備えており、信頼性と説明可能性を高め、リアルタイムでの意思決定を支援する。
将来的には、「NVIDIA NeMo Retriever」の生成AIマイクロサービスとの統合も予定。これにより、カスタム大規模言語モデル(LLM)を企業データに接続し、AIアプリケーションが高精度で応答できるようになるとしている。
Teradata 最高技術責任者(CTO)のLouis Laundry氏は声明で次のように述べる。「ベクトルストアは、生成AIモデルとAIエージェントを結びつける基盤である。データ管理の実践には不可欠だが、処理速度が遅かったり、サイロ化していたりする場合にはその活用は限定的だ。Teradataの技術が可能にした高い並列処理の実行性とリニアなスケーリング、そしてデータを調和させRAGをサポートする能力により、Teradata Enterprise Vector Storeは、AIエージェントの活用を目指す企業向けに、大規模かつ実効性と信頼性の高い基盤となる」