インドに本拠地を構えるHCL Technologiesは、世界約60カ国にある企業の製品やサービスの開発、設計を支援するオフショア開発を請け負うテクノロジー企業だ。米国では30年以上前からビジネスをスタートしており、現在では欧州やアジア地域へも事業を展開している。

インドのノイダに本拠地を構えるHCL Technologies
HCL Technologiesでは、製品やサービスの開発、設計を支援するこのビジネスを「Offshore Delivery Center(ODC)」と名付け、世界的に知られる家電メーカーや半導体企業、化粧品メーカーなどに提供している。
支援する内容やボリュームは企業ごとに異なるが、徹底的な機密性を保持している点がODCの共通した特徴になる。提携する企業ごとにオフィスが割り振られ、専任スタッフを配置。各オフィスは担当者でなければ入室はできず、完全に独立した状態で開発が行われる。
ODCは、HCL Technologiesが本拠地を構えるインドのノイダをはじめ、チェンナイ、バンガロール、ハイデラバードなどに設置。インド国外を含めると拠点数は220以上を数える。

HCL TechnologiesのインドにおけるODCの開発拠点
開発はパートナー企業側とHCL TechnologiesのODCチームメンバーのハイブリッドチームで進められ、多ければ1000人規模のチームになるとのこと。契約内容にもよるが、製品開発であれば、試作機までHCL Technologies側で手掛けるケースもあるという。
パートナー企業の事業内容に合わせ、多種多様なエンジニアが所属していることがHCL Technologiesの強み。エンジニアはODCの仕事に入る前に6カ月から1年程度のトレーニング期間が設けられる場合もあるとのこと。「中でも半導体エンジニアのレベルはインド企業内でもトップクラス」(HCL Technologies)と胸を張る。