さまざまなLinuxディストリビューションの世界

「Regolith Desktop」レビュー--タイル型ウィンドウマネージャーを試したい人に最適

Jack Wallen (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2025-03-20 07:00

 タイル型ウィンドウマネージャーは、OSを操作する最も効率的な方法の1つである。これが向いているかどうかは、そのユーザーの好みの操作方法によって異なる。可能な限りキーボードを使用する操作方法が好みで、多数の新しいキーボードショートカットを習得することに抵抗がない人には、タイル型ウィンドウマネージャーが最適だ。

 逆に、マウスを使うのが好きな人には、タイル型ウィンドウマネージャーはお勧めしない。

 ここまで読んで好奇心をそそられた人のために、本記事では、タイル型ウィンドウマネージャー「i3」の使い方を習得するのに役立つ「Linux」ディストリビューションを紹介する。

 「Regolith Linux」(Regolith Desktop)は、生産性を重視したLinuxディストリビューション(デスクトップ環境)だ。i3と「Sway」「GNOME」を組み合わせて、キーボードで操作するタイル型ウィンドウマネージャーの高速ワークフローを作り出すだけでなく、従来のデスクトップ環境の機能も少し取り入れている。

 Regolithには、システム管理用の「gnome-session」、テーマや設定を調整するための「regolith-look」のほか、「X11」(i3)と「Wayland」(Sway)の両方のサポートも含まれる。

i3とSwayのどちらかを選択する

 そう、Regolithでは、タイル型ウィンドウマネージャーをi3とSwayから選択できる。Swayは、Waylandで動作するi3の代替品と考えてほしい。Regolithにはi3とSwayの両方が付属しているため、必要なウィンドウサーバー(X11またはWayland)がどちらであっても、同様の体験を享受できる。Swayとi3はよく似ているので(全く同じものではない)、どちらかを習得すれば、もう一方も使いこなすことができるだろう。

 i3とSwayには、以下のような違いがある。

  • i3がX11を使用するのに対し、SwayはWaylandを使用する
  • Swayは、隙間を調整する機能を標準で搭載する。また、キーバインドを割り当てるときに、複数の非修飾キーをサポートする
  • Swayでは、フロート化されたウィンドウからコンテナーを作成して、ウィンドウのグループを移動したり、サイズを変更したりできる
  • Swayは、別のアプリケーションに依存せずに、入力や出力、壁紙の設定を処理する
  • Swayを使用すると、ノートPCのバッテリー持続時間がわずかに長くなる
  • 一部のX11アプリはWaylandで動作しない可能性がある。つまり、i3の方がより広範なアプリケーションサポートを提供する
  • i3と比較すると、Swayの方が開発が活発で、GUIの機能も充実している

 注意点が1つある。かつては、RegolithのISOイメージが提供されていた。残念ながら、現在では、そのISOイメージは古いバージョンである。Regolithの最新バージョンを入手するには、「Ubuntu 22.04」または「Ubuntu 24.04」の実行中のインスタンスで、必要なパッケージをインストールする。これを行うには、以下のコマンドを実行する。

wget -qO - https://archive.regolith-desktop.com/regolith.key | gpg --dearmor | sudo tee /usr/share/keyrings/regolith-archive-keyring.gpg > /dev/null

echo deb "[arch=amd64 signed-by=/usr/share/keyrings/regolith-archive-keyring.gpg] https://archive.regolith-desktop.com/ubuntu/stable noble v3.2" | sudo tee /etc/apt/sources.list.d/regolith.list

sudo apt update

sudo apt install regolith-desktop regolith-session-flashback regolith-look-lascaille -y

 Sway版をインストールする場合は、以下のコマンドを実行する。

sudo apt-get install regolith-session-sway -y

 Sway版(筆者のお勧め)をインストールする場合は、ログイン画面で「Regolith on Wayland」を選択する。

 これらのパッケージがインストールされたら、Linuxインスタンスを再起動して、ログインプロンプトでi3かSwayのいずれかを選択する。Regolithの開発元が最新バージョンのISOイメージをリリースしてくれると非常にありがたいのだが、Ubuntuの実行中のインスタンスがすでにあるのなら(「Debian」で何も問題はない)、インストールは難しくない。インストールは5分以内に完了するはずだ。

 最新バージョンのRegolithをインストールすると、i3とSwayを切り替えられるはずだ(古いバージョンでは、Wayland/Swayがサポートされていないため、i3だけが提供される)。

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