社内データを使って「ChatGPT」を利用したい「ChatGPT Team」ユーザーは、今回始まる新しいベータプログラムでそれが可能になる。
OpenAIでプロダクトリーダーを務めるNate Gonzalez氏は、米国時間3月27日の「LinkedIn」への投稿で、ChatGPTのビジネスユーザーからの要望が最も多かった新機能をリリースすると発表した。この機能は、ChatGPTが社内のナレッジソースに接続できるようにするものだ。つまり、従業員は企業が社内で保存しているファイルについて、ChatGPTに質問への回答や要約の提供、コンテンツの生成を求めることが可能になる。
情報源として最初に利用できるようになるのは「Google Drive」で、今後数週間かけて順次対応していく。利用が可能になると、社内のChatGPT運用管理者にセットアップできるようになったとの通知が送られる。セットアップが済んだら、社内で使っているGoogle Driveのストレージに接続できるようになり、ChatGPTがファイルを調べて必要な情報や支援を提供できる。
Google Driveは、利用できる最初の情報源に過ぎない。Gonzalez氏によると、OpenAIはさらに多くの接続機能を導入する計画だという。具体的な名前は明らかにしなかったが、同氏はいくつかのカテゴリーを挙げた。また、この機能は近いうちに「ChatGPT Enterprise」ユーザーも利用できるようになる。
Gonzalez氏は次のように述べている。「これは始まりに過ぎない。チームはすでに第二弾の接続機能に取り組んでおり、コラボレーションツールやプロジェクト管理ツール、データ分析プラットフォーム、顧客関係管理(CRM)など、今ユーザーのチームが利用している主要な社内のナレッジソースすべてに対応することを目指している。これらの新しい接続機能は、ChatGPT TeamおよびChatGPT Enterpriseのユーザー向けに間もなく提供が開始される」
ユーザー1人当たり月額25ドル(約3800円)のChatGPT Teamは、ChatGPTを共有したいあらゆるグループを対象としており、これは企業全体の場合もあれば企業内の部署の場合もある。これに対して、ChatGPT Enterpriseは従業員150人以上の大規模な企業向けで、料金は企業ごとの要件によって決まる。
社内の機密データを人工知能(AI)に利用させる場合、プライバシーとセキュリティが常に懸念材料となる。Gonzalez氏はChatGPT Teamについて、運用管理者が管理可能なセキュリティおよびプライバシー管理機能が搭載されている点を強調した。また、OpenAIはChatGPT TeamやChatGPT Enterpriseのアカウントのデータを使ってモデルをトレーニングしていないとも述べている。

提供:Lance Whitney / Elyse Betters Picaro / ZDNET
この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。