「Windows」PCを起動しようとして問題に見舞われたことはないだろうか。起動エラーは、トラブルシューティングや修復が最も困難な問題の1つだ。そこでMicrosoftは、PCが正常に起動してくれなくなった場合に利用できる新たなツールをリリースした。
この機能は「Quick Machine Recovery」(QMR)と呼ばれるもので、「Windows 11 Insider」向けの最新ビルドでテストできる。MicrosoftはQMRを企業のIT管理者向けツールとしてアピールしているが、個人ユーザーも利用可能で、デフォルトで有効にされている。
QMRの仕組み
Windows PCには、起動にまつわる問題の修復を試みる専用の回復パーティション「Windows回復環境」(WinRE:Windows Recovery Environment)が存在する。通常、WinREは手動で起動する必要があるが、QMRはこのプロセスを自動化するように設計されている。
起動に関する深刻な問題が発生すると、PCはWinREモードに入り、ネットワークに接続して診断データをMicrosoftに送信する。すると、そのデータに基づいて、問題の修復に適したプログラムが「Windows Update」経由でPCに送信される。修復に成功すれば、そのPCは何のトラブルもなく起動できるようになっているはずだ。
QMRの大きなメリットの1つは、回復プロセスを自動で実行できるように設計されていることで、リモートでの実行も可能だ。組織のIT管理者であれば、問題のあるPCに物理的に接続することなく、そのPCに適した修正プログラムを送信できる。個人ユーザーであれば、修正プログラムはMicrosoftによって管理される。そのため、いずれの場合も、手作業で問題を診断して解決を試みる作業に時間を費やす必要がなくなる。
QMRは、Microsoftが2024年11月に年次カンファレンス「Microsoft Ignite 2024」で発表した「Windows Resiliency Initiative」の一環として開発されたものだ。同社はIT担当者や「Windows Insider Program」参加者に対し、この新機能のテストを開始して、「フィードバックHub」アプリ経由でフィードバックを提供するよう求めている。また、Windows Insider Program参加者には、数日中にテスト修復パッケージを提供し、QRMの動作を確認できるようにする予定だ。

提供:Elyse Betters Picaro / ZDNET
この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。