2022年にOpenAIの「ChatGPT」がAIの競争を激化させて以来、多くのテクノロジー企業が独自のチャットボットを次々とリリースしている。市場が非常に飽和しているにもかかわらず、OpenAIは競争力を保つために新機能を継続的にリリースしており、その戦略は成功しているようだ。
The Informationの最新レポートによると、ChatGPTの売り上げは過去3カ月で急増しているという。同社は「少なくとも月間4億1500万ドル」を稼ぎ出し、わずか3カ月で売り上げが30%増加している。この成長は加入者の大幅な増加によるもので、同社は2024年末以来、450万人の有料加入者を追加した。
この1年間で、OpenAIはサービスをより魅力的にするために幾つかのアップデートをリリースした。これには、最先端のビデオ生成モデル「Sora」へのアクセスや、ChatGPTのAdvanced Voice Modeでの画面共有およびビデオ機能が含まれる。これらの機能は12月にリリースされ、有料プランの限定となっている。
直近では、「GPT-4o」の画像生成機能を発表した。最新のモデルは、現実的な人物などの難しいプロンプトに対応し、非常に正確なテキストを生成する機能を備えている。
GPT-4oの画像生成機能は当初、無料プランを含む全ユーザーが利用可能になると発表されていた。しかし、OpenAIの最高経営責任者(CEO)であるSam Altman氏はその翌日、無料プラン向けの展開を「しばらく延期」すると説明。さらにその後、無料プランでは1日当たり3枚の画像を上限としていた。
多くの人々がこの画像生成ツールを試した結果、Altman氏は「X」への投稿で「この1時間で100万人のユーザーが追加された」と明かした。
この成長は同社にとって新たな課題をもたらした。同氏は、新しいリリースの遅延や不具合の発生、容量の問題に対処している間はサービスが遅くなることがあると忠告。特に、同社はこの成長に対応するための適切なコンピューティングリソースの配分に苦労しているようで、「GPU容量が10万単位で余っている」人を探していると述べた。
OpenAIは、その勢いを緩めるつもりはない。同社の究極の目標は、人間レベルの自律的知能を持つAI、すなわち「汎用人工知能」(AGI)の実現である。AGIはこれまでAI研究における北極星であり、依然として遠い概念である。しかし、このような野心的な目標に向かって取り組むことで、OpenAIの開発は加速し、異なるアプローチを取るMicrosoftなどの競合他社に対する優位性を確保することに役立っている。

提供:Getty Images / NurPhoto / Contributor
この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。