「Android 15」を搭載したスマートフォンでは、本格的な「Linux」ターミナルを有効化することができる。これには、読者の皆さんがLinuxで使い慣れたコマンドの多くが含まれている。本当に素晴らしい機能だ。
詳しい説明に移る前に、AndroidのLinuxターミナルで実行できないことを紹介しておこう。GUIアプリをインストールするのは、相当の手間がかかる。筆者もGUIアプリの実行を試みたが、起動しなかった。新しいターミナルで「Doom」のようなアプリのインストールに成功した事例があることは知っているが、決して簡単なことではない。
これには少しがっかりしたが、気を取り直して、この新機能が自分自身と読者の皆さんにどんなメリットをもたらすのか調べてみることにした。結論を簡潔に述べると、数多くのメリットがある。ただし、コマンドラインを使うのが苦にならない、ということが条件となる。本記事では、この新機能の使い方を解説する。読者の皆さんがこのターミナルアプリを有効に活用できることを願っている。
1. SSH
別の記事で、筆者はLinuxターミナルアプリをAndroidで有効化する方法やSSHをインストールする方法を解説した。しかし、AndroidのLinuxターミナルアプリからSSH経由でリモートマシンに接続するのは少し面倒である、ということには触れなかった。(筆者のように)スマートフォンのキーボードでのタイピングが苦手な人は、特に苦労するだろう。
幸い、SSH設定ファイルのおかげで、その負担を少し軽減可能だ。このファイルを使えば、SSH接続を設定できるので、「ssh gilly@192.168.1.176」と入力する代わりに「ssh hive」と入力するだけで済ませられる。その方法を解説しよう。
Linuxターミナルアプリを開いて、SSHがインストールされていることを確認する(その方法は上記の記事で解説済みだ)。それが完了したら、対象のリモートマシンに接続する(これにより、.sshフォルダーが自動的に作成される)。接続を解除して、「nano .ssh/config」と入力する。このファイルに、次の内容を追加する。
Host hive
Hostname 192.168.1.176
User gilly
(ターミナルのキーボードメニューバーで)「Ctrl」キーをタップした後、「x」キーをタップして、ファイルを保存する。
それが完了したら、あとは「ssh hive」と入力するだけだ。SSHが設定ファイルを読み取り、ホストのIPアドレスとリモートホスト名を確認してくれる。
このやり方の方がはるかに簡単だ。
2. Linuxのコマンドラインを学ぶ
AndroidのLinuxターミナルアプリは、Linuxコマンドラインを学ぶのに最適なツールだ。このアプリを使えば、コマンドを実行したり、新しいコマンドをインストールしたり、あらゆるコマンドのマニュアルファイルを読んだりできる。仮に修復不可能なほどのミスを犯してしまった場合でも、AndroidのLinuxターミナルサポートを無効にして、再度有効にすれば、最初からやり直すことが可能だ。
筆者は、「Ollama」コマンドラインAIをインストールした後、仮想環境の容量が不足していることにすぐ気づいた。必要なステップをすべて実行してOllamaを削除する代わりに、Linuxターミナルアプリを無効にして、再度有効にすることで、元の状態に戻すことに成功した。
Linuxのコマンドラインインターフェースを外出先で学習したい場合は、ここから始めるのが理想的だ。