グーグル、動画生成AI「Veo 2」の提供を開始--有料ユーザー対象に

Sabrina Ortiz (ZDNET.com) 翻訳校正: 佐藤卓 吉武稔夫 (ガリレオ)

2025-04-16 09:31

 Googleの「Imagen 3」はテキストから画像を生成する人工知能(AI)で、米ZDNETがMidjourneyやOpenAIなどライバルの製品を上回る最優秀画像生成ツールに認定したほど高性能だ。そのため、テキストから動画を生成する「Veo 2」のリリースも大きな期待を集めていたが、ついに提供が開始され、その驚くべき性能が明らかになった。

Veo 2を「Gemini」で試すには

 Googleは米国時間4月15日のブログ記事で、最高水準の動画生成ツールであるVeo 2がGeminiで利用可能になったことを明らかにした。この機能を利用すると、簡単なテキストプロンプトを用いるだけで、8秒間の動画を720pの解像度で作成できる。アスペクト比は16:9の横長形式だ。

 Googleによれば、Veo 2は実世界の物理法則や人間の動きをより深く理解することで、「本物そっくりのシーン」や「滑らかに動くキャラクター」が登場する高品質の動画を生成するように設計されているという。ユーザーは動画を作成する際、必要に応じて詳しい指示を出し、好みに合わせた調整ができる。

 Veo 2にも残念なところはある。国や地域を問わずウェブとモバイルの両方で利用できるものの、「Gemini Advanced」のユーザーにしか提供されない点だ。Gemini Advancedは「Google One」の「AIプレミアムプラン」に含まれており、価格は月額20ドル(日本では2900円)だ。

 しかも、ユーザーが1カ月に作成できる動画の数に上限がある。Googleは具体的な数を明かしていないが、上限に近づくとユーザーに通知するという。したがって、月額20ドルは高いと思われるかもしれないが、OpenAIの動画生成AIであるSoraを利用するのにも、同じ金額の「ChatGPT Plus」に加入しなければならない。

 もっとも、Google OneのAIプレミアムプランには、ストレージ容量が2TBに増え、「NotebookLM Plus」の使用量上限が5倍になり、「Gmail」「Googleドキュメント」「Googleスプレッドシート」などでGeminiが利用できるといったその他の特典もある。また、この日発表された新機能「Whisk Animate」も提供される。

Whisk Animateとは?

 Whisk Animateは、Veo 2を利用したGoogleの新しい実験的な生成AI機能だ。以前に発表された「Whisk」は、テキストや画像のプロンプトから新しい画像を作成できるツールだったが、このツールをベースに構築されたWhisk Animateは、作成した画像を8秒間のアニメーションにできるという。ただし、前述のように、このツールはGemini Advancedのユーザーにしか提供されず、「Google Labs」からアクセスする必要がある。

提供:Maria Diaz/ZDNET
提供:Maria Diaz/ZDNET

この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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