トランスフォーメーションの破壊者:インテントAI

インテントAIが変える多様性の未来--さまざまな人々が輝く社会へ

松永 エリック・匡史

2025-05-21 06:00

 かつての社会は、声の大きい人、身体能力の高い人、マジョリティーに属する人に最適化されていました。しかし今、私たちは「多様性」という名のリブートを始めています。そして、このリブートの鍵を握る存在がインテントAIです。

 この技術は、単なる情報処理や自動化の延長線上にはありません。むしろ、人間の意図(インテント)を理解し、それに共鳴することで、人間の可能性を最大化することを目指す、「新しい社会OS」ともいえる存在となり得ます。

 インテントAIが、女性活躍、障がい者雇用、「LGBTQ+」(性的少数者の総称)といった多様性の最前線をどう変革するか、その未来図を多角的に描き出してみましょう。

命令から意図へ

 まず、従来のAIとインテントAIの違いを押さえておきましょう。従来のAIは、基本的に命令(プロンプト)を正確に処理する技術であり、基本的にはルールベースです。例えば、「○○の要素を入れたアイデアを列挙して」と指示をすれば、その通りに応じます。しかし、指示する人の表情や感情を読み取った、「何となくこんな感じの情報が欲しい」という曖昧さには弱いのです。

 インテントAIは、テキスト、音声、ジェスチャー、状況のコンテクストなどから「人間の意図」を読み取る力を持っています。言い換えれば、理解し、先回りして動くAIなのです。

 これにより、従来は排除されてきた声にしづらい人たちの声をも、技術が拾い上げられるようになります。これは、単なる技術的進化ではない、社会の包摂性(インクルージョン)を高める人間中心のテクノロジーの萌芽です。

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