双日テックイノベーションは、Sansanの提供する契約データベース「Contract One」を活用し、契約リスク分析業務において年間約7000時間の工数を削減した。Sansanが4月16日に発表した。
Contract Oneは、契約データベースとして紙や電子などあらゆる契約書をデータ化する。契約の有効性や契約同士の複雑な関係を、正確かつ俯瞰して捉えられる契約データベースを構築できる。
双日テックイノベーションは、ネットワーク・ITインフラ構築やシステム開発などを手がけ、他社製品を仕入れて顧客に提供する取引も多い。そのため、購買契約と販売契約の内容に手違いがないかを確認するリスク分析が不可欠であったという。
従来は、担当者が契約書の条文を目視で探し、「Excel」で作成した独自のチェックリスト「リスク分析表」に手入力、さらに法務部門が内容を確認するというプロセスを踏んでおり、多大な工数がかかっていた。また、締結後の契約書管理システムでは契約内容のデータ化ができず、管理部門による項目手入力や、限定的なキーワードでの検索しか行えないという課題もあった。
これらの課題解決とリスク管理強化のため、同社はContract Oneの導入を決定した。導入後は、契約書について質問するとAIが適切な情報を抽出・回答する「Contract One AI」機能を活用した。これにより、リスク分析表作成に必要な条文検索作業が大幅に効率化され、精度も向上した。結果として、事業部門と法務部門を合わせて年間約7000時間に上る工数削減を達成した。
さらに、Contract Oneを活用して、アップロードされた契約書を正確にデータ化し、「契約締結日」や「金額」といった主要9項目を一覧できるデータベースを構築できた。高度な全文検索機能も備えているため、契約書の登録や検索にかかっていた業務時間も年間約500時間削減できたという。創出された時間は、顧客対応など付加価値の高い業務に充てられている。
加えて、同社は営業DXサービス「Sansan」の「リスクチェック機能」も併用している。これにより、取引前の企業リスクを事前に検知する体制も構築し、契約締結前から締結後まで、一連の業務プロセスにおけるリスク管理体制を強化できた。