オラクルとGoogle Cloudがパートナープログラム--新サービスや提供リージョンの追加も

NO BUDGET

2025-04-18 06:30

 オラクルとGoogle Cloudは、両社のパートナーシップを強化し、業界初となるパートナー・プログラムの計画や、「Oracle Database@Google Cloud」上での新サービス提供予定、機能拡張、提供リージョンを追加する。4月9日にオラクルが発表した。今回の連携強化で、マルチクラウド環境における顧客の選択肢と柔軟性の拡大を図る。

 Oracle Database@Google Cloudは、Google Cloudのデータセンター内で、「Oracle Cloud Infrastructure (OCI) 」上のOracle Databaseサービスを、直接利用できるようにするサービス。

 今回発表された内容の柱の1つが、業界初となるOracle Database@Google Cloudの再販パートナープログラムだ。このプログラムにより、オラクルとGoogle Cloudの共通パートナーは、Google Cloud Marketplaceのプライベートオファーを通じて、Oracle Database@Google Cloudを購入し、自社の顧客への再販が可能になる。

 テクノロジーパートナーも、自社ソリューションに同サービスを組み込めるようになる見込みだ。このプログラムは、Google Cloudの「Partner Advantageプログラム」および、オラクルの「Oracle PartnerNetwork(OPN)」に参加するパートナーを対象に、今後12カ月以内に提供を開始する予定だ。Google Cloud Marketplaceを通じて販売され、決済には「Google Cloudクレジット」を使用する。World Wide Technology(WWT)のようなパートナー企業からも、顧客への選択肢拡大を歓迎する声が上がっているという。

 サービス面では、Oracle Database@Google Cloud上で、新たに「Oracle Base Database Service」の限定プレビュー版が、近日中に提供を開始する予定だ。このサービスは、Oracle Database 19cおよび23aiの「Enterprise Edition」と「Standard Edition 2」を、仮想マシン上で実行する。また自動化されたデータベースライフサイクル管理、ローコードアプリケーション開発機能、コンピュートとストレージの独立したスケーラビリティーを従量課金モデルで提供する。これにより、顧客は効率良くクラウド移行を加速することが期待される。

 既存サービスの機能も強化する。「Oracle Exadata Database Service on Dedicated Infrastructure」は、最新の「Oracle Exadata X11M」プラットフォームに対応した。これにより、AI、分析、オンライントランザクション処理(OLTP)において、前世代と比較して大幅なパフォーマンス向上が見込まれる。また、請求・リソース管理の柔軟性を高めるため、「Exadataインフラストラクチャ」を、関連する仮想マシンクラスターとは異なるGoogle Cloudプロジェクトにデプロイすることも可能になった。

 さらに、米国政府機関向けには「Oracle Interconnect for Google Cloud」が「Oracle U.S. Government Cloud」で利用可能となり、Oracle U.S. Government Cloud East(アッシュバーン)とGoogle CloudのU.S. Government Virginia(アッシュバーン)リージョン間での高帯域接続が容易になった。

 このほか、顧客の需要に応えるため、提供リージョンの大幅な拡大も計画している。今後12カ月以内に、東京、大阪、ムンバイ、デリー、シドニー、メルボルン、トリノ、モントリオール、トロント、サンパウロ、アイオワを含む11の新しいリージョンで、Oracle Database@Google Cloudの提供を開始する予定だという。加えて、既存のロンドン、フランクフルト、アッシュバーンなどのリージョンでは、データセンター容量を倍増させる計画も進行中だ。

 Banco Actinverの最高情報責任者(CIO)であるJorge Fernandez氏は、「Oracle Databaseのセキュリティとパフォーマンスに、Google Cloudのデータ分析およびAIツールを組み合わせることで、市場動向に対するより深いインサイトが得られる。これにより、サービスの強化とパーソナライズされた体験の提供を実現できる」とした。

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