石川工業高等専門学校(石川高専)は、AI教育を実施する学習施設「AI Career Tech Center」を設置した。同センターの設置に協力した内田洋行が4月18日に発表した。
同センターは、AI教育を通した高等教育の先進化と地域課題の解決への貢献を目指し、学生がAIの基礎から応用までを学ぶ実践的な施設になる。石川高専と内田洋行、インテルが連携し、学生がAIの技術や知識を習得し、地域課題の解決に取り組む教育モデルを推進するという。

AI Career Tech Centerの様子。同センターは、国内の高等専門学校において初めてのAI学習専門教室という(提供:内田洋行)
内田洋行は同センターにおいて、高性能PCの選定、導入、教室のネットワーク環境の整備を支援。インテルは、AIの仕組みや活用方法を体系的に学び、将来の産業界で即戦力となる人材を育成するためのカリキュラム「AI for Future Workforceプログラム」や、AI教育に適した機材やツールの提案を通して、理論と実践を融合させた学びを支援する。
PCは、高負荷なAI解析や3Dモデリング、シミュレーションに対応するノートPC「Dell Latitude 5350 XCTO Base」を50台導入。ノートPCを充電保管庫で一括管理・運用するために、保管効率との両立を図るため、13インチの小型モデルでありながら高性能なモデルを選定したという。
AI for Future Workforceプログラムは、データ分析や機械学習、AIによる意思決定支援などの基礎から応用までが含まれている。さらにインテルが提供するオープンソースの「Distribution of OpenVINO ツールキット」を活用し、実際の開発現場と同様の環境でAI推論の最適化や高速化を体験できる。学生は、画像認識や物体検出などのリアルタイムAIアプリケーションの実装、チューニングを通して、AI技術の理解と応用力を高められるとしている。
これにより、石川高専では全学年の学生が、AIリテラシーからプログラミング演習、ノーコード開発、「Python」による実装など、AIの基礎から応用までを基礎科目の一つとして体系的に学習できる環境が整った。また、課題解決型学習(PBL)では、地域企業や自治体と連携しながら、地域が抱える課題にAIを活用して取り組むプロジェクトを展開し、技術力だけでなく、課題設定力や発想力、プレゼンテーション力など、社会実装につながる実践的なスキルを身に付けられるとしている。