二足歩行ロボットといえば、Boston Dynamicsの「Atlas」が見せる、少々不気味ながらも愛らしいブレイクダンスの動きを思い浮かべるかもしれない(関連記事)。しかし、その認識は改める必要がありそうだ。なぜなら、ロボットは今やマラソンに挑戦するまで進化しているからである。
先ごろ、中国で史上初となる人間と人型ロボットによるハーフマラソンが開催され、20体以上のロボットが人間のランナーと競い合った。参加したロボットはさまざまなメーカー製で、人間同様、体格もまちまちであった。
ハーフマラソンのコースを、ランニングシューズを履いて走るロボットもいれば、裸足で走るロボットもいた。驚くほど人間に似た頭部を持つものから、従来型の金属的な頭部を持つものまでさまざまであり、身長は1.2~1.8m近くまで幅があったが、いずれも大まかな人型をしていた。
安全確保のため、主催者は人間とロボットのランナーを分けて走らせた。両者は並走する形で、同じコースを走った。
全てのロボットが無事に完走したわけではない。数体は完走を果たしたものの、スタート直後に転倒して動けなくなったもの(その気持ちは理解できるかもしれない)、途中で部品を損傷したもの、オーバーヒートで介助が必要になったもの、コース途中で手すりに衝突したものなどもいた。
完走したロボットの中で最も速かったのは、北京人型機器人創新中心(Beijing Humanoid Robot Innovation Center)製の「天工(Tiangong)」で、タイムは2時間40分だった。参考までに、今回のレースで最速だった人間のタイムは1時間2分である。なお、一般的な初心者のハーフマラソン完走タイムは、年齢にもよるが2時間25分から3時間15分程度とされる。
レース後、主催者は最も優れた耐久性(あるいはバッテリー交換のためのピットストップ回数の少なさ)、最も優れた歩様、そして最も革新的なデザインに対して賞を授与した。
現状では、ロボットがトップレベルの人間のランナーに匹敵するにはまだ時間がかかりそうだが、一般ランナーと同等にハーフマラソンを走破できる能力を示したことは、非常に印象的である。

提供:PEDRO PARDO/Getty Images
この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。