りん青銅専業メーカーの原田伸銅所(埼玉県戸田市)は、クラウドERP「SAP S/4HANA Cloud」を中核とするクラウドオファリング「GROW with SAP」を採用した。SAPジャパンが4月24日に発表した。
原田伸銅所は現在、全売上高の約3割をアジア中心の海外市場が占めており、今後この比率をさらに高めることを目指している。同社では基幹システムとして、2016年に導入した国産ERPパッケージを7年間利用してきたが、個別最適化を重ねた結果システムが複雑化し、事業環境の変化への対応が困難になっていた。
この課題解決のため、経営基盤を刷新し、SaaS型ERPである「SAP S/4HANA Cloud Public Edition」の採用を決定。これにより、一元管理されたデータを活用した迅速な経営情報の可視化を通じて、損益の早期把握、原価設定の精緻化、経営判断の高度化を図る。
GROW with SAPの採用理由としては、基幹システムの世界標準としての信頼性、導入しやすいコスト、Fit to Standardによる業務標準化への期待、信頼できる導入パートナーなどを挙げている。
導入においては、Fit to Standardによる業務標準化を徹底。標準機能で対応できない業務要件については、「SAP Business Technology Platform(SAP BTP)」によるSide-by-Side開発を行うことで、クリーンコアを維持していく方針だ。導入パートナーのワンアイルコンサルティングは、要件定義フェーズからERP導入目的の整理を支援し、Fit to Standardの実現を後押しした。
今後は、6カ月に1回のペースで自動的にバージョンアップされるSAP S/4HANA Cloud Public Editionの新機能を取り込みながら、AI活用にも注力していくとしている。