北野建設が、日立ソリューションズの「RPA業務支援BPOサービス」を採用し、ロボットによる業務自動化の内製化と業務プロセス改革を推進している。この取り組みにより、経理や調達、人事などの業務で年間約2000時間の時間削減を実現した。日立ソリューションズが4月24日に発表した。
北野建設は2025年度のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進プロジェクト完遂を目標に掲げ、業務効率化と生産性向上を重要な経営課題としていた。特に、数が多く手作業に依存している業務の効率化や、従来のプロセスを見直すことによる生産性の向上が求められていた。
そこで同社はロボティックプロセスオートメーション(RPA)による業務の自動化に着目。従業員自身がロボットを開発・運用できる内製化を目指し、日立ソリューションズの「RPA業務支援BPOサービス」の採用を決定した。このサービスが、内製化を進めるためのトレーニング、社内からの問い合わせ対応の委託、ロボット開発の技術的なサポートなど、多面的な伴走支援を提供できる点が評価された。

「RPA業務支援BPOサービス」の活用イメージ
日立ソリューションズは、RPAツールとして「Microsoft Power Automate for Desktop」の活用を支援した。従業員向けの講習会の開催や、長野本社と東京本社の双方で対面サポートを毎月実施するなど、手厚いトレーニングを提供した。これにより、従業員のロボット開発スキル向上を後押しした。加えて、ロボット開発担当者からの技術的な問い合わせに日立ソリューションズが直接対応する体制を構築し、北野建設の情報システム部門の負担軽減にも貢献した。
これらの支援の結果、北野建設ではバックオフィス部門の従業員によるロボットの内製化が着実に進展している。具体的には、経理、調達、人事といった部門で、複数システムからのデータ転記や稟議(りんぎ)書の電子保管といった定型作業が自動化された。単に作業を自動化するだけでなく、導入プロセスにおいて無駄な作業を洗い出すなど、従業員が主体となって業務プロセス自体を見直す動きも生まれているという。さらにRPAを活用した業務自動化の取り組みは、現業部門や営業部門にも広がりを見せている。