ゼットスケーラーは4月24日、同社のセキュリティサービス基盤「Zscaler Zero Trust Exchange」におけるAIと機械学習(AI/ML)のトランザクションを分析した結果を発表した。AI/MLのツールの利用が急拡大しており、「組織はセキュリティ戦略の再考を迫られている」と指摘する。
同社は、2024年2~12月におけるZscaler Zero Trust Exchangeでの5360億件以上のAI/MLトランザクションを分析。期間中は組織によるAI/MLツールの使用が前年比で3000%以上増加し、組織からAIツールに送信されたデータは合計で3624テラバイトにもなったとしている。一方で、組織がブロックしたAI/MLトランザクションは全体の59.9%を占め、組織がデータ流出や不正アクセス、コンプライアンス違反などAI/MLツールに関連する潜在的なリスクを懸念している実態も浮き彫りになった。
同基盤で最も利用されていたAI/MLツールは、米OpenAIの「ChatGPT」で、AI/MLトランザクション全体の45.2%を占めていた。また、組織によって最も遮断されたツールもChatGPTだったという。ChatGPT以外では、「Grammarly」と「Microsoft Copilot」が利用、遮断とも多いとしている。
業界別動向では、金融/保険によるAI/MLトランザクションが最も多い28.4%を占めており、AIが広く導入されているだけでなく不正検出、リスクモデリング、カスタマーサービス自動化など同業界特有の重要な機能での利用も期待されている様子がうかがえた。次に多い製造業(21.6%)では、サプライチェーン最適化やロボティクスによる自動化、さらにサービス(18.5%)やテクノロジー(10.1%)、ヘルスケア(9.6%)でもAIへの依存度は高まり、業界ごとのセキュリティや規制の面から固有の課題に直面しているという。
アジア大洋地域の動向では、インド(36.4%)と日本(15.2%)の2カ国だけでトランザクション全体の半数以上を占めていた。

ゼットスケーラー上のAI/機械学習のトランザクションでアジア太平洋地域はインドと日本は多くを占めていた(出典:ゼットスケーラー)