さまざまなLinuxディストリビューションの世界

「Windows Subsystem for Linux」で「Arch Linux」が利用可能に

Jack Wallen (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2025-04-30 09:00

 「Windows Subsystem for Linux」(WSL)向けの「Arch Linux」イメージが正式にリリースされた。ニュースサイトのIt's Foss Newsが2月に開発中であると報じていた。WSLは、「Windows」上で本格的な「Linux」環境を実行可能にする互換レイヤーである。

 これまでWSLで利用できるLinuxディストリビューションでは、「Ubuntu」「Debian」「Fedora Remix」「openSUSE」「Kali Linux」「Pengwin」があった。今回、Arch Linuxが加わったことで、常に最新の状態が提供されるローリングリリースモデルのディストリビューションが利用可能となり、同ディストリビューションを試したいと考えていたユーザー、開発者、管理者にとって待望の選択肢となるだろう。

 このWSL向けArch Linuxイメージの実現は、数人のコントリビューター、特にイメージメンテナーであるRobin Candau氏の尽力によるものである。公式イメージサイトには、「イメージは(『GitLab CI』経由で)毎月ビルド&リリースされ、(systemdのサポートを含め)WSL上で完全なArch Linux体験を提供できるよう、可能な限りシンプルかつ完全なシステムを目指している」と記載されている。

 同サイトは続けて、「イメージは定期的にビルドされるが、Arch Linuxはローリングリリースであるため、初回の起動直後にpacman -Syuを実行してシステム全体を更新することを強く推奨する」と述べている。

 Arch Linux WSLイメージを利用するには、「WSL 2」がインストールされている必要がある。「WSL 1」はサポートされていない。まだWSL 2をインストールしていない場合は、「PowerShell」を開き、以下のコマンドを実行する。

wsl --install

 WSL 2のインストール後、次のコマンドでArch Linuxイメージを追加する。

wsl --install archlinux

 インストールが完了したら、以下のコマンドでArch Linuxを起動できる。

wsl -d archlinux

 起動後、まず最初に行うべきことは、次のコマンドを実行してシステム全体を最新の状態に更新することである。

pacman -Syu

 なお、WSL 2ではLinuxのGUIデスクトップ環境を動作させ、Remote Desktop Protocol(RDP)経由でのアクセスも可能である。ただし、WSL 2で提供されるLinuxイメージは基本的にコマンドラインベースであるため、デスクトップ環境を利用したい場合は手動でインストールする必要がある点に注意してほしい。

提供:Microsoft / Elyse Betters Picaro / ZDNET
提供:Microsoft / Elyse Betters Picaro / ZDNET

この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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