Metaは米国時間4月29日、チャットボット機能とソーシャルメディア体験を融合させた新しいAIアプリ「Meta AI」を発表した。「iPhone」「iPad」「Android」に対応しており、一般的なAIアシスタントと同様に、情報の検索、コンテンツの作成、画像分析といった機能を備えている。しかし、Meta AIが競合と一線を画す点は、ソーシャルメディア機能との連携にある。
Metaはニュースリリースで次のように述べている。「Meta AIはユーザーを理解するように構築されており、より役立つ回答を提供する。簡単に話しかけられるため、シームレスで自然な対話が可能になっている。また、ソーシャルな側面も重視しており、ユーザーが関心を持つ人々や場所に関する情報も提示できる。さらに、音声機能を使えば、他の作業をしながらマルチタスクが可能で、マイク使用中を示すアイコンも表示される」
ユーザーは、自然言語でリクエストを入力したり、音声で話しかけたりして利用できる。チャットボットとの対話自体は目新しいものではないが、Metaによれば、「Llama 4」モデルを採用することで、よりパーソナルで文脈に即した自然な会話が可能になるとのことだ。
音声については、ユーザーはDame Judi DenchやJohn Cenaといった著名人の声を模倣したものなど、複数の選択肢から選べる。また、文字入力や音声対話を通じて、画像の生成や編集をAIに指示することも可能だ。
標準設定では、Meta AIはユーザーの質問に対し、ウェブから最新情報を検索して回答する。ただし、この情報検索は率直かつ事実に基づいた応答になりがちだ。より自然で親しみやすい対話を望む場合は、「フルデュプレックス」(全二重通信)と呼ばれるオプションを選択できる。しかし、このモードの欠点として、ウェブ検索やリアルタイム情報へのアクセス機能は利用できなくなる。
なお、フルデュプレックスモードを含む音声対話機能は、まず米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドで提供される。
MetaはFacebookなどのソーシャルネットワークを運営しているため、このAIは、ユーザーがソーシャルメディア上で共有したプロフィール情報やお気に入りのコンテンツなどを学習し、応答に生かすよう設計されている。ただし、現時点では、こうしたパーソナライズ機能は米国とカナダでのみ利用可能だ。さらに、ユーザーはMeta AIに対し、特定の情報を記憶させることもでき、その情報は将来の対話で活用されるだろう。
ソーシャルメディアとの連携というテーマに基づき、Meta AIはユーザー同士のつながりを意識して設計されている。アプリ内には「Discover」フィードがあり、他のユーザーがMetaのネットワーク上で利用しているAIプロンプトを閲覧できる。また、希望すれば、自身が利用したプロンプトを共有することも可能だ。
「Ray-Ban Meta」グラスのユーザーにとって、この新しいAIアプリは同端末を操作する中心的な役割を担う。そのため、Meta AIアプリは、Ray-Ban Meta向けのコンパニオンアプリ「Meta View」と統合される。ペアリング済みのデバイス、設定、メディアは、新しいアプリの「デバイス」タブに自動的に表示され、Ray-Ban Metaで始めた対話をアプリでシームレスに続けることもできる。
さらに、Meta AIのウェブサイトも刷新される。ウェブ版でも、アプリと同様の音声対話やDiscoverフィードによる共有機能が利用可能になり、AIグラスなどの管理も行えるようになる。
Metaは、「世界中の人々が『WhatsApp』『Instagram』、Facebook、『Messenger』で日々、Meta AIを利用している」と述べ、さらに「今回、スタンドアロンアプリを通じて、音声対話を中心としたパーソナルAI体験を提供する。これは最初のバージョンであり、ユーザーの皆様からのフィードバックを楽しみにしている」とコメントしている。

提供:Vincent Feuray / Hans Lucas / Hans Lucas via AFP
この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。