Microsoftは、「新世代のWindows体験」として打ち出している、多数の新しいAI機能と改良点を明らかにした。米国時間5月7日に公開されたブログ記事で、同社は「Copilot+PC」で提供される機能や、全ての「Windows 11」ユーザー向けに提供される機能について説明している。
Copilot+PC向け機能
まずは、Copilot+PCを必要とする機能から見ていこう。
Windows設定の変更
これは、Windowsにおける一般的な設定のアクセスや変更方法をAIで改善する機能だ。重要な設定の変更は、必ずしも迅速かつ容易に行えるとは限らないが、Microsoftは特定のシステムタスクに取り組む際にAIエージェントを起動する機能を導入する。
ユーザー自身がマウスカーソルの変更方法や音声によるWindowsの制御方法を調べる代わりに、AIエージェントがこれらのタスクを実行する。ユーザーは達成したいことや解決したい問題を伝えるだけで良い。すると、エージェントがデバイス上のAIで要求を理解し、たとえ許可が必要な場合でも、タスクそのものを実行する。
この新機能は、まず「Snapdragon X」プロセッサーを搭載したモデルの「Windows Insider」向けに展開される。その後、Advanced Micro Devices(AMD)/Intel製のプロセッサーを搭載したモデルのWindows Insider向けにも提供される予定だ。初期段階では、英語による要求のみがサポートされる。
Click to DoとWindows検索
Microsoftは4月、全てのCopilot+PC向けに3つの主要機能を正式にリリースした。物議を醸した「Recall」と「Click to Do」、AI搭載の「Windows検索」だ。後者2つの機能強化は現在進行中である。
Click to Do機能を使うと、画面上のテキストや画像を選択することで、コピー、保存、共有、検索などのさまざまなアクションやコマンドを実行するメニューが表示される。まもなく、Copilotにさらに多くのタスクを依頼できるようになる。例えば、Copilotに「Word」でコンテンツを生成させたり、「Excel」でテキストを表に変換させたり、「Reading Coach」を起動してテキストを音読させたり、会議をスケジュールしたり、「Teams」でチャットを開始したりすることができるようになる。
「Ask Copilot」、Reading Coach、「Read with Immersive Reader」などの機能は現在、Windows Insidersに提供されている。その他の機能、例えば会議のスケジュール設定やTeamsでのメッセージ送信、「Microsoft 365 Copilot」にタスクを依頼すること、Excelでのテーブル変換、Wordでのドラフト作成などは、5月中にWindows Insidersで提供される予定である。
Windows検索では、特定の設定を検索したり、「Microsoft Store」からアプリを見つけてインストールしたり、「Photos」アプリに拡張してライブラリー内の特定の写真を追跡したりできる。この新機能も、5月中にWindows Insiderで提供される見込みだ。
Photos、Paint、Snipping Tool
次に、新しいAI機能がPhotos、「Paint」「Snipping Tool」といった標準アプリに展開される。
Photosアプリには、「Relight」と呼ばれる興味深い属性が追加される。これは、写真の照明不良を修正したり、よりクリエーティブな外観にしたりすることを目的とする機能だ。Relightを使用すると、3つの異なる光源を配置し、全てのライトが追従するフォーカスポイントを移動させることで、写真にダイナミックな照明を追加できる。そこから、明るさと強度コントロールでビジュアルを調整したり、組み込みのプリセットをオンにして特定の外観を自動的に適用したりできる。
新しいRelightツールは、まずSnapdragon XモデルのWindows Insider向けに提供され、2025年中にAMD/Intelモデルにも拡張される予定だ。
Paintアプリには、2つのAIスキルが追加される。新しい「ステッカージェネレーター」を使用すると、テキストの説明に基づいて独自のカスタムステッカーを作成できる。また、「オブジェクト選択ツール」を使用すると、キャンバス上の特定の領域または要素を絞り込み、その部分のみを編集対象にできる。どちらのスキルも、5月中にWindows Insiderで提供される予定だ。
Snipping Toolには、3つの新機能が追加された。1つ目は、スクリーンショットでキャプチャーする領域を自動的に検出する機能だ。これによってトリミング操作が不要になる。もちろん、領域を調整する必要がある場合は直接操作も可能だ。2つ目はテキスト抽出機能で、画像やスクリーンショットからテキストを抽出してコピーできる。3つ目は「カラーピッカー」機能で、画面上の任意の位置から色を取得し、別の場所に適用することが可能になる。