ゼロボードは5月7日、産業技術総合研究所(AIST)グループ企業のAIST Solutionsとの業務提携を発表した。これに基づきAIST Solutions提供のインベントリデータベース「AIST-IDEA」(IDEA)からサプライチェーン関連の約400項目を選定した排出係数パッケージを温室効果ガス(GHG)排出量算定・可視化ツール「Zeroboard」に搭載し、同日から提供する。
IDEAは、国内の産業構造やサプライチェーンに即したライフサイクルアセスメント(LCA)のデータベースで、約5300項目からなる。製品やサービスのGHG排出量を高精度に把握するための排出係数データとして、主に物量ベースで算定する企業に活用されている。
ゼロボードはAIST Solutionsとの提携により、LCA学会に所属する同社のLCAの専門家がIDEAを独自監修し、サプライチェーン排出量の算定に役立つ約400項目を選定。これを排出係数パッケージ「ゼロボード限定パッケージ」として提供する。IDEAの独自監修によるデータベース構築およびGHG排出量算定ツールへの標準搭載は業界初という。
ゼロボードによれば、環境省のIDEA Ver.2.3の特殊ライセンス提供の終了に伴い、一部の係数を継続利用できない状況や入手しづらいカテゴリーが発生していること、IDEAのライセンスの利用期限の把握や必要人員の確保が困難なこと、ライセンス契約とインポート作業の手間といった課題が顕在化している。
このためゼロボード限定パッケージを提供したといい、これにより(1)IDEAのフルパッケージを購入する以外の選択肢を提供できること、(2)正しい運用の担保による開示に関するデータ品質の担保とリスクの回避を図ること、(3)システム側での最新版のIDEAデータのプリセットによる業務軽減と人為的ミスの予防――を支援するという。
ゼロボードは、今後のZeroboardの新規契約および契約更新の際にゼロボード限定パッケージを標準搭載したプランで提供し、契約内容に応じて一部のユーザーにはIDEAの原単位を表示する形で提供することにしている。