オリックス生命保険(オリックス生命)は、コールセンター部門に配属される新入社員研修に、エクサウィザーズが提供するAIアバター対話型研修ツール「exaBase ロープレ」を導入した。これにより、従来ベテラン社員が担っていたロールプレイング研修の約4割をAIで代替し、育成の効率化と質の向上を目指す。5月7日、エクサウィザーズが発表した。
オリックス生命では毎年4月から、コールセンター部門の新入社員に対し約2カ月間の研修を実施している。顧客からの住所変更などの要請に、丁寧かつ的確な言葉遣いで対応するスキルを習得するため、従来は約5人のベテラン社員が指導に当たっていた。

exaBase ロープレの評価と振り返りの画面(一般的な画面例、出所:エクサウィザーズ)
今回導入された「exaBase ロープレ」は、オリックス生命のコールセンターで蓄積されたノウハウや既存のスクリプトに基づき、実際のコールに近い対話シナリオをAIが参照して設定できる。不適切な発言である「NGワード」を事前に登録し、その使用の有無もチェックする。
AIアバターは、性別や年齢などを自由に設定できるが、今回はオリックス生命が想定する顧客像に合わせたアバターを新たに設定。「お急ぎのお客さま」や「じっくり話を聞きたいお客さま」といった多様な顧客プロファイルパターンを用意し、より実践的な研修を可能にした。
ロールプレイングの結果は、あらかじめ定めた評価基準に基づき100点満点で採点され、AIによる個別のフィードバックも提示される。これにより、研修を受ける新入社員は自身の課題を客観的に把握しやすく、改善に向けたモチベーション向上につながる。適切な敬語の使用や、不要なつなぎ言葉である「フィラー」の有無などもチェック項目に含まれる。
さらに、管理者側は各新入社員の研修進捗(しんちょく)状況や習熟度を一覧で確認できる。どのような内容を応答したかのテキストや動画も記録されるため、きめ細かい指導にも活用できる。