ニッセイ・ウェルス生命、基幹システムをOCIへ移行--バッチ処理時間50%削減

NO BUDGET

2025-05-08 16:41

 ニッセイ・ウェルス生命保険が、約20万件の契約情報を管理する基幹業務システム基盤を、「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」へ移行した。5月8日、日本オラクルが発表した。

 移行作業は週末の1日で完了し、業務への影響は軽微だった。夜間バッチ処理は平均2時間から約1時間に短縮され、業務効率が向上した。さらに、セキュリティパッチの自動適用による運用負担の軽減、データベースのチューニングなしでもオンプレミス以上の性能を発揮し、検索性能やレスポンスの向上が評価されている。

 ニッセイ・ウェルス生命は、金融機関窓販領域を中心に資産形成・資産継承向けの商品・サービスを展開しており、ITインフラ強化の一環としてオンプレミスからクラウドへの移行を進めている。今回、中核となる保険契約管理システムをOCI上の「Oracle Database」サービスへ移行した。移行に当たっては、業務への影響を最小限に抑え、既存システムとの整合性を保つことが求められた。

 OCIが採用されたのは、Oracle Databaseとの高い親和性と移行の容易さが評価されたためだ。OCIへ移行したことで、従来のオンプレミス環境では利用できなかった150以上のサービスが利用可能になった。また、顧客の重要な契約情報を守るため、データベースおよび通信の暗号化や、OCIの堅牢なセキュリティ、第三者機関による「国際的な情報セキュリティ評価基準」への準拠といった安全性も重視された。「Oracle Real Application Clusters(RAC)」、「Oracle Data Guard」、そしてOCIの強化されたパフォーマンス機能により、データベースの検索速度とシステムの応答性も向上している。

 ニッセイ・ウェルス生命はマルチクラウド戦略を採用しており、既存のIT環境では「Microsoft Azure」も活用している。今回のOCIへの移行はTISが担当し、Microsoft AzureとOCIの共通運用モデルを確立することで、問い合わせや管理業務の一元化を図った。「Oracle Interconnect for Azure」の採用により、Microsoft Azure上のアプリケーションとOracle Databaseを、低レイテンシー(2ミリ秒未満)で直接相互接続し、優れたマルチクラウドネットワーク性能と運用効率を実現している。

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