Denodo Technologiesは5月9日、「Denodo Platform 9.2」の提供を開始すると発表した。同プラットフォームの中核であるセマンティックレイヤーや論理データ管理機能の上に、フル機能のデータマーケットプレイス、生成AIイニシアチブへの拡張対応、データプロダクトの開発を支援する新しいセルフサービスツール群が追加された。
バージョン9.2で新しく追加されたデータマーケットプレイス機能は、データをビジネス上の意味付けとともに整理する包括的なセマンティックレイヤーを基盤とする。また、AIによる自動化によってデータ準備などの反復作業を効率化する。これにより、ユーザーは必要なデータを迅速かつ容易に発見し、スムーズに活用できるようになる。
データマーケットプレイス機能では、下流のアプリケーションや分析ツールによるデータの使用状況、どのダッシュボードやレポートがどのデータ製品を利用しているかを可視化する。加えて、ユーザーごとにユーザーインターフェース(UI)の表示言語を選択することも可能。
バージョン9.2の生成AI機能は、バージョン9.1で導入された「Denodo Assistant」や「Denodo AI SDK」による生成AIアプリケーション開発の効率化機能を、さらに拡張したものとなっている。
バージョン9.2では、生成AIの導入を加速させるデータ管理機能の強化が継続されている。これは、組織がAIモデルに対し、高品質でガバナンスが行き届き、リアルタイムに提供される「AI対応データ」をシームレスに供給できるようにすることを目的としている。
これには、ユーザー固有の知識に基づいてAIモデルを動的にカスタマイズする機能や、SNS投稿から感情を抽出したり画像を分析したりするための非構造化データ対応の強化も含まれる。また、生成AI開発者向けに特化した新しい認定プログラムも提供される。
バージョン9.2は、強力なデータガバナンスと最適な効率性を維持しつつ、データ製品開発を促進するための大幅な機能強化が図られている。これらの新機能には、継続的インテグレーション/継続的開発(CI/CD)をサポートするワークスペース機能が含まれており、複数チーム間でのアジャイルなコラボレーションを可能にするブランチベースの開発を実現する。
また、自動依存関係分析によりエラーを削減し、データのキャッシュやキュレーションの効率化も図られた。加えて、オープンテーブル形式への対応が拡張され、「Databricks Unity Catalog」やSnowflakeの「Open Catalog」、その他のオープンテーブルエコシステムにおけるソリューションのサポートも強化されている。