浅田レディースクリニックと日本IBMは5月12日、生成AIを活用し不妊治療に関する質問に答えるチャットボット「チャットボット浅田せんせい」を共同開発したと発表した。同日からインターネット上で公開している。不妊治療に対する悩みについて、本人やその家族が気軽に問い合わせることが可能になる。
このチャットボットには、検索拡張生成(RAG)アーキテクチャーが採用されている。具体的には、同院の理事長が執筆または監修した不妊治療に関する情報を基に、生成AIがユーザーの質問に回答する仕組みになる。これにより、不妊治療に関する一般的な質問だけでなく、同院独自の治療法に関する質問に対しても、信頼性の高い回答を提供できる。さらに、回答の根拠となった情報源を提示することで、利用者が安心して使えるように配慮されている。なお、回答の生成にはMicrosoftの「Azure OpenAI Service」が利用されている。
不妊治療を検討している潜在的な患者は、SNSなどで情報収集をすることも多いのが現状。しかし、インターネットが発達した現代においても、信頼できる不妊治療の情報を的確に得ることは、依然として大きな課題となっている。
ただし、このチャットボットは、ユーザーが入力した情報に基づき、不妊治療に関連する可能性のある情報を提供するものだが、あくまで情報提供のみを目的としており、診断や治療を提供するものではないと説明されている。また、提供された情報に基づいて、医師の助言なしに医学的判断を下すべきではなく、健康上の問題や疑念がある場合には必ず適切な医療機関や専門家へ相談する必要があるとしている。

チャットボット浅田せんせいのイメージ図(提供:日本IBM)