相鉄、日立の案内支援サービスを導入--移動制約者のサポート業務を効率化

NO BUDGET

2025-05-12 15:55

 相鉄グループの相模鉄道は、日立製作所が提供する「移動制約者ご案内業務支援サービス」を導入した。2025年5月1日から運用を始めている。同サービスは、車いすや白杖を利用する乗客などの列車乗降を駅係員がサポートする業務を、スマートデバイス上で完結させるものだ。

移動制約者ご案内業務支援サービスの概要
移動制約者ご案内業務支援サービスの概要

 特に、ホームドア設置のICタグと連携するオプション機能を導入することで、駅係員はスマートデバイスをICタグにかざすだけで乗車位置を自動入力できるようになった。これは手入力ミスや乗降位置の伝達誤りといったヒューマンエラーの防止強化につながり、利用客のさらなる安全・安心な公共交通機関利用を目指すものだ。加えて、駅係員間の連絡業務もスマートデバイス上で完結できるほか、計画ダイヤ登録、案内登録時の通知、アラーム設定などの機能により、駅係員の業務効率化と心理的負荷の低減、そして利用客の安全・安心な公共交通機関の利用を推進する。

 相模鉄道は2026年上期に全駅へのホームドア設置完了を予定しており、今回のサービス導入は、ICタグ連携による誤り防止オプションと合わせて、利用者がより安心して利用できる移動環境を実現するための取り組みの一環だ。

 このサービスでは、利用受付から駅係員間の連絡・引き継ぎ、実績管理といったサポート業務をスマートデバイス上で一元管理できる。2022年に提供が始まって以来、関東エリアの複数の鉄道事業者に導入され、利用客の安全・安心な移動と、駅係員の業務負荷および心理的負荷の軽減に貢献してきた。しかし、複数の事業者で利用される中で、乗車駅係員による乗降ドア位置の入力ミスや、降車駅係員のホーム待機位置の間違いといったヒューマンエラーが課題として残っている状況だった。こうした課題に対応するため、2024年8月には乗車位置検知オプションと降車位置誤り防止オプションが追加された。

 相模鉄道は今後、同サービスの運用を進めながら、利用客や駅係員の声を収集し、日立と連携してさらなる利便性向上と安全・安心な移動環境の実現を目指す。一方、日立も鉄道事業者のニーズに応じたオプション機能の追加など、サービスのバージョンアップを継続していく方針だ。

乗車位置検知オプションと降車位置誤り防止オプションの利用イメージ
乗車位置検知オプションと降車位置誤り防止オプションの利用イメージ

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