ソラコムと丸紅が協業強化--MVNO事業の合弁会社設立へ

大河原克行

2025-05-13 11:50

 ソラコムと丸紅は5月12日、通信およびIoT事業における協業を強化。丸紅I-DIGIOホールディングスと合弁会社を設立すると発表した。

(左から)丸紅 執行役員 情報ソリューション部門長の藤永崇志氏、ソラコム 代表取締役社長の玉川憲氏、丸紅I-DIGIOホールディングス 代表取締役社長の佐藤由浩氏
(左から)丸紅 執行役員 情報ソリューション部門長の藤永崇志氏、ソラコム 代表取締役社長の玉川憲氏、丸紅I-DIGIOホールディングス 代表取締役社長の佐藤由浩氏

 具体的には、丸紅I-DIGIOホールディングスの傘下にある丸紅ネットワークソリューションズの仮想移動体通信事業者(MVNO)事業を分社化し、そこにソラコムが51%を出資。ソラコムのグループ会社とする。新会社設立は2025年8月1日を予定している。本社は東京都文京区に設置し、社名は未定としている。

 新会社では、スマートフォンやタブレットなどに対応したモバイルワーカー向け無線通信サービス、日本国内への海外旅行者などを対象にしたコンシューマー向け無線通信、監視カメラやドローンへの搭載、建設現場の遠隔操作などのIoT向け無線通信を提供する。

各社の関係性
各社の関係性
丸紅I-DIGIO HDとソラコムによる新会社設立
丸紅I-DIGIO HDとソラコムによる新会社設立

 また、ソラコムと丸紅は、2025年2月に、海外におけるIoT分野での協業を発表しており、モビリティー、農業、電力・水道などのインフラ領域での新たな事業展開を検討していくという。

 ソラコム 代表取締役社長の玉川憲氏は、「総合商社の丸紅が持つ多くの事業資産と顧客資産、ソラコムが持つテクノロジーを組み合わせことができる。異色の組み合わせによって事業を拡大できることにワクワクしている」と語り、「丸紅I-DIGIOは、NTTドコモのフルMVNOとして、ヒト向け、オンプレミスでのサービス提供が特徴であるのに対して、ソラコムはKDDIおよびグローバルキャリアにおけるフルMVNOとして展開しており、モノ向け、クラウドでのサービス提供が特徴となる。お互いの強みを生かした補完関係があり、マルチキャリアフルMVNOによる付加価値の高いサービスを提供できるようになる。日本においてもユニークな強みを持つ存在になる」と語った。

ソラコム 代表取締役社長の玉川憲氏
ソラコム 代表取締役社長の玉川憲氏

 フルMVNOは、通信キャリアの基地局を利用する一方で、交換機を再販したり、顧客管理データベースを自社で保有したりといったことを行うため、一般的なMVNOに比べると投資は必要になるものの、ビジネスモデルに柔軟性を持っているのが特徴だ。

 例えば、SIMを独自に発行できるほか、IoTに最適化した料金プランを用意したり、一つのSIMの中に複数の契約を盛り込んだマルチプロファイルサービスを提供したりといったことが可能になる。ソラコムは、ソフトウェアによる交換機や顧客管理データベースをクラウド上で自社開発してきた経緯があり、このノウハウを新会社にも生かしていくという。

相乗効果を最大化する戦略的な連携を構築
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