手元のスマートフォンは、お気に入りのアプリ、個人アカウント、そして機密データの宝庫である。したがって、悪意を持った人々に金銭や情報を盗まれないようにするため、デバイスはできる限り強固なセキュリティ保護を備えているべきだ。
詐欺やマルウェアなどセキュリティやプライバシーに対する脅威から保護するため、Googleは「Android」向けにさまざまなツールとテクノロジーを提供している。米国時間5月13日に公開されたブログ記事では、現在提供中あるいは近日提供予定の保護機能と、それらの仕組みが解説されている。
1. 詐欺電話からの保護

提供:Google
まず挙げられるのが、詐欺電話からの保護である。巧妙な詐欺師は、既定のセキュリティ設定を変更したり、悪意のあるアプリに昇格された権限を与えたりするなど、特定の操作を電話上で行わせようと試みることがある。これを保護するため、Googleはそうした試みに対して警告を発し、特定の種類の操作をブロックすることもある。
Androidの新しい通話中の保護機能は、具体的には次の3種類の操作を防ぐ。
- 「Google Playプロテクト」の無効化を防ぐ。これは既定で有効になっており、この組み込みのセキュリティ保護機能は、入手元に関わらず悪意のあるアプリをスキャンするため、常にアクティブであるべきだ
- アプリのサイドローディングを防ぐ。これは、Googleがセキュリティやプライバシーの脅威について審査していないウェブブラウザー、メッセージアプリ、その他のソースからアプリをサイドローディングする場合に適用される
- ユーザー補助権限の付与を防ぐ。これにより、悪意のあるアプリがデバイスを制御し、銀行情報やその他の個人情報を盗むことが可能となるからだ
さらに、通話中に画面共有をしている場合、Androidは通話終了時に自動的に画面共有を停止するように注意を促す。この保護機能により、詐欺師が機密情報にアクセスして不正行為を働くのを防ぐ。
これらの通話中の保護機能はデバイス上で実行され、連絡先に登録されていない相手との通話でのみ有効となる。Google Playプロテクトの無効化に対する保護は、「Android 6」以降を実行しているデバイスで利用可能である。アプリのサイドローディングとユーザー補助権限の付与に対する保護は、今後登場する「Android 16」を実行しているデバイスで利用可能となる予定だ。
2. バンキングアプリ利用中の通話保護

提供:Google
金融機関や政府機関を装った詐欺師は、画面共有を要求し、送金などの操作をさせようとすることがある。これに対抗するため、Googleは英国でバンキングアプリ向けの新しい通話中の保護機能を試験的に導入している。
未知の連絡先と画面共有している間にバンキングアプリを起動すると、デバイスは潜在的な危険性について警告を発する。そして、ワンタップで通話を終了し、画面共有を停止するオプションが表示される。
この保護機能は、「Android 11」以降を実行しているデバイスで、対応する銀行アプリに対して自動的に有効になる。Googleは、今後数週間以内に英国の銀行と協力して同機能を試験的に導入する。その結果に基づき、Googleはこの保護機能をより広範囲に展開する予定だ。
3. Googleメッセージでの詐欺検出の改善

提供:Google
「Googleメッセージ」の詐欺検出機能は、最初は無害に見えるテキストメッセージが、次第に疑わしくなり、最終的には悪意を帯びる可能性があるやりとりからユーザーを保護する。そのような状況になると、警告が表示される。この保護機能は現在、求人や配送に関する詐欺に重点を置いているが、次の種類の詐欺にも拡大されている。
- 有料道路などの請求料詐欺
- 仮想通貨詐欺
- 金融機関のなりすまし詐欺
- ギフトカード・景品詐欺
- テクニカルサポート詐欺