Appleは米国時間5月13日、「Global Accessibility Awareness Day」に先立って「iOS」に搭載されるアクセシビリティー機能を明らかにした。同社は6月9~13日に年次開発者会議「Worldwide Developers Conference」(WWDC)をオンラインで開催する。
Mac向けの「Magnifier」は、連係カメラ機能でつないだiPhoneやUSBカメラと連携して機能する。同機能を使えば、カメラが捉えた周りのものをMacの画面に大きく拡大して表示できる。例えば、Macのカメラに書類をかざせば、より大きな画面で容易に読み取れる。また、アプリ上では表示をカスタマイズできるほか、明るさやコントラストの調整も行える。さらに、表示を保存したり、グループ化して整理された状態にしたりできる。
AppleはApp Storeの製品ページに「Accessibility Nutrition Labels」という新しいセクションを導入する予定である。これらのラベルはアプリやゲーム内のアクセシビリティー機能を強調表示し、ユーザーがダウンロードする際に役立つ情報を提供する。
「Braille Access」は、フル機能の点字ノートテイカーを追加する機能であり、同社はこれを「Appleエコシステムに深く統合されている」と説明している。この機能により、点字形式でのメモ作成や、「Nemeth Braille」を用いた計算が可能となる。
また、「Switch Control for Brain Computer Interfaces」(BCIs)をサポートする。これは、身体の動きを必要とせずにデバイスを操作できる新しい技術となる。
この他にも、Apple端末に搭載される予定のアクセシビリティー機能が多数導入される。
「Accessibility Reader」は、「iPhone」「iPad」「Mac」「Apple Vision Pro」に新たなシステムレベルのリーディングモードとして導入される。失読症や低視力といった問題を抱える人々に対し、テキストをより読みやすくすることを目的に設計されている。ユーザーはこの機能を用いることで、テキストのフォント、色、コントラストなどを個別に調整し、表示されるコンテンツの可読性を高められる。
「Apple Watch」の「Live Captions」は、聴覚に課題を抱える人々を支援する機能だ。iPhoneをリモートマイクとして使用し、コンテンツを「AirPods」や「Made for iPhone」補聴器、または「Beats」ヘッドホンにストリーミング可能となる。
「Apple Watch」の「Live Captions」は、聴覚に問題を抱える人々を支援する。この機能により、iPhoneをリモートマイクとして使用し、コンテンツを「AirPods」や「Made for iPhone」補聴器、または「Beats」ヘッドホンにストリーミング可能となる。
Vision Proの「Enhanced View」は、周囲を含め視界にあるものを拡大表示する。低視力に悩む人々のために構築される機能だ。「Personal Voice」は、デバイス上の機械学習とAIにより、10個のフレーズから1分未満で音声を生成する機能になる。
「Background Sounds」には新しいEQ設定が搭載され、容易にカスタマイズして注意散漫を最小限に抑え、集中力を高められる。乗り物酔いを軽減する「Vehicle Motion Cues」もMacに搭載される。「Eye Tracking」により、iPhone/iPadユーザーはスイッチや視線の固定を使って選択操作を行えるようになる。
「Head Tracking」の改善で、iPhone/iPadをより簡単に操作できるようになる。「Assistive Access」がApple TVアプリに追加され、知的・発達障害のあるユーザーの体験を向上させる。
「Sound Recognition」には「Name Recognition」機能が加わり、聴覚に課題を持つユーザーが自分の名前が呼ばれたことを検知できるようになる。また、Sound Recognitionは「CarPlay」にも統合され、聴覚に困難があるドライバーや同乗者も、例えば幼児の泣き声といった周囲の重要な音の通知を受け取れるようになる。
「Voice Control」と「Live Captions」は、対応言語数を増やすべく拡張される予定だ。ユーザーは、自身のアクセシビリティー設定をiPhoneやiPad間で共有できるようになる。
これらの新しいアクセシビリティー機能は、2025年内に利用可能になる予定だ。

提供:Kerry Wan/ZDNET
この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。