日立建機は、海外グループ会社17拠点の基幹業務システム(ERP)をMicrosoftの「Microsoft Dynamics 365」で刷新した。プロジェクトを支援した日立ソリューションズとHitachi Solutions Asia Pacificが5月14日に発表した。これにより、グローバルでの経営可視化とグループ横断でのデータ一元管理を実現したという。
日立ソリューションズグループは、グローバル対応力、多数の導入実績、業種知識、Microsoftとのパートナーシップという4つの強みを生かし、全世界で一貫したグローバルソリューションを提供している。
建設機械事業をグローバルに展開する日立建機は、海外売上比率が8割を超える企業だ。しかし、海外グループ会社が運用するERPが老朽化し、ビジネスの変化への追随が課題となっていた。
新たなERPの選定にあたっては、業務に必要な機能の充足に加え、安定して長期間利用できること、そしてグローバル展開しやすいことが重視された。その結果、実績も豊富で条件を満たすMicrosoft Dynamics 365の導入を決定したという。
ベンダーとしては、日立ソリューションズグループの「Microsoft Dynamics 365」に関する深い知見、海外のグループ各社と連携し現地の商習慣に合わせた柔軟な対応が可能なグローバル支援体制が高く評価されたという。
今回のプロジェクトでは、日本本社で共通のテンプレートを開発し、それを海外グループ会社へと効率的に導入した。新たなERPと日本本社のシステムを連携させることで、海外17拠点の財務データを日本でもリアルタイムに取得することが可能となり、グローバルでの経営の可視化とグループ横断でのデータ一元管理を実現した。
アジアなど海外17拠点のERP基盤を「Microsoft Dynamics 365」で統合したことにより、運用リソースの増加を抑止できた。また、日本本社や海外グループ会社では、データ分析ツール「Power BI」を用いて、在庫や受注、売上状況のダッシュボード化といったデータ活用を開始している。さらに、日立ソリューションズグループによる運用保守や機能拡張の支援により、システムの安定稼働と段階的なサービス拡張も実現した。
日立建機のDX推進本部では、今回のプロジェクトについて、高品質で統一のシステムを導入できたこと、グループ全体で業務プロセスを効率化する礎を築けたことが大きな成果だと評価している。また、導入後についても人員配置など運用サポート体制の最適化まで考慮した日立ソリューションズグループの支援を高く評価している。
日立建機は今後、グローバルECサイトの構築や、「Dynamics 365 Intelligent Order Management」を用いた高度なSCM改革でも、日立ソリューションズグループと共に取り組んでいく方針だ。