カーボンニュートラル(脱炭素)

月島食品工業、二酸化炭素排出量の可視化でスコープ3対応を開始

ZDNET Japan Staff

2025-05-15 06:25

 業務用食用加工品などを手掛ける月島食品工業(東京都江戸川区)は、二酸化炭素(CO2)の排出削減に向けた可視化において、サプライチェーン全体を対象とするスコープ3への対応を開始した。三井物産子会社でCO2排出量可視化サービスを提供するe-dashが発表した。

 月島食品工業は、業務用マーガリンなどの食用加工油脂、ホイップクリームなどの食品素材の開発や製造、販売を手がける。同社では、都の「東京都地球温暖化対策計画書制度」により東京工場にCO2排出量の削減義務が課され、ボイラー燃料の転換など各種施策によりCO2排出量の大幅削減を達成してきたという。

 CO2排出量を可視化するための算定では、自社および外部供給エネルギーを対象とするスコープ1/2に比べ、スコープ3は取引先など外部を含むサプライチェーン全体を対象とすることから、実施には膨大な作業と高い専門性を伴う。e-dashによれば、月島食品工業ではスコープ3への対応を決断し、専門家支援の必要性を判断してe-dashを選定した。

 月島食品工業は、可視化サービスとコンサルティングサービスを併用して対応を進めており、独自で試験的に行った算定における誤りに気付くことができたり、スコープ3に関する知識や理解を深めて今後の取り組みの基盤を整えたりすることができたとしている。

 スコープ3でのCO2排出量は全体の約96%を占めるといい、特にカカオやパーム油など同社製品の主要原材料の調達・輸送に伴う排出が大きいとのこと。原材料は海外からの輸入に依存しているため、同社単独での削減の取り組みには限界があるという。そこで、まずはフードロスの削減に取り組み、食品廃棄を減らすことでそれに伴うCO2排出量の削減はもとより、不要な仕入れや輸送、処分などの工程における排出量抑制にもつなげたいとしている。

 なお、同社は未上場で、スコープ3の情報開示が現時点で義務ではないものの、スコープ3への対応が企業の信頼性向上、新たな取引機会の創出につながると考え、早期の取り組みに乗り出しているという。

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