多くの人は、高速のネットワークとPCを当たり前のものと考えがちだ。現代のほとんどのコンピューターは強力で、大半のネットワークのスピードは1990年代後半や2000年代初頭の水準をはるかに上回っている。だが、どんな状況でもそうとは限らない。
より高性能なコンピューターに買い換える際には、多額の出費を伴うことがある。
都市部から離れると、インターネット接続サービスの競争がほとんどない地域もあり、利用可能なネットワークは平均より遅いことが多い。そのような環境に身を置く人の悩みを解消できそうなウェブブラウザーがいくつかある。軽量なブラウザーだが、それよりも重要なのは、低速のネットワーク接続でも良好に動作するという点だ。そのようなブラウザーを詳しく見ていこう。
1. 「Microsoft Edge」
Microsoft Edgeは、メモリー管理機能に優れている。
実際に、Edgeのメモリー使用量は(タブを10個開いた状態で)約790MBだ。Edgeが今回のリストに選出されたのは、「Blink」レンダリングエンジンを採用していることを考えると、当然といっていい。しかし、Microsoftには、動作が遅く、リソースを大量に消費するアプリを開発してきた歴史があるため、システム上でMicrosoftのアプリに長年苦労させられてきた人には驚きかもしれない。
それでも、リソース使用量を抑えつつ、高水準のパフォーマンスを出すEdgeの能力は見事だ。リソース処理の機能が優れているため、低速なネットワーク接続での有力な選択肢となっている。低速接続時に役立つ機能もいくつかあり、データスロットリング、リソース制限、ウェブレンダリング、広告ブロック、ウェブページ圧縮、タブの高速切り替えなどが搭載されている。
Edgeは、「Linux」「macOS」「Windows」「Android」「iOS」で、無料でダウンロードして使用できる。

Edgeの画面イメージ(提供:Jack Wallen/ZDNET)
2. 「Opera」
Operaも「Chromium」ベースのブラウザーで、10個のタブのメモリー使用量は約899MBだ。
Edgeよりも機能は多いが、低性能マシン向けに設計されたブラウザーのような動作をする。余分なものをそぎ落としたブラウザーと同等のパフォーマンスでありながら、機能とカスタマイズ性は申し分ない。外観を自分の好みどおりに調整できるほか、「ワークスペース」を利用してタブ管理を大幅に改善できる。
Operaは低速接続でも動作が速い。これは、「Opera Turbo」モード、標準搭載の広告ブロッカー、ページ読み込みの高速化、コンテンツ圧縮、高速タブ切り替え、DNSプリフェッチなどの機能によるものだ。
Operaは、Linux、macOS、Windows、Android、iOSで、無料でダウンロードして使用できる。

Operaの画面イメージ(提供:Jack Wallen/ZDNET)
3. 「Brave」
同じくChromiumベースのブラウザーであるBraveは、メモリー使用の効率はやや劣るが(10個のタブで約920MB)、セキュリティ面では他を大きく引き離している。強力なプライバシー保護機能を提供し、広告やトラッカーを自動的にブロックする一方で、パフォーマンスは良好だ。
システムリソースの消費量は少なくないとしても、ページ読み込みの高速化、コンテンツ圧縮、高速タブ切り替え、素早い再開、DNSプリフェッチなどの機能を備えているため、低速のネットワークでも優れたパフォーマンスを発揮する。
遅いマシンやネットワークに対応でき、なおかつ高度なセキュリティを提供するブラウザーを探しているなら、Braveは有力な選択肢だ。Braveは、Linux、macOS、Windows、Android、iOSで、無料でダウンロードしてインストールできる。

Braveの画面イメージ(提供:Jack Wallen/ZDNET)