デジタルID「PASS」に顔認証の新機能--災害時の避難所解錠や受付にも対応

加納恵 (編集部)

2025-05-15 12:34

 生体認証・画像解析などの開発を手がけるELEMENTSグループのLiquidは、マイナンバーカードによる本人確認情報などを一元管理できるデジタルIDウォレット「PASS」に、顔認証でドアの鍵を開けられる機能を追加すると発表した。公民館や避難所など平時から災害時までそのまま使える。

加賀市イノベーションセンターでの顔認証解錠の様子
加賀市イノベーションセンターでの顔認証解錠の様子

 PASSは、氏名や住所、生年月日、資格、資産、健康情報など、自分や家族に関する情報を一元管理できるスマートフォンアプリ。施設の受付では本人確認書類の提示なしで顔認証やスマートフォンで2次元コードを読み取り本人確認ができる。

 新たに追加した顔認証による解錠機能は、PASSアプリに登録された本人確認済みの顔情報を使い、施設のドアに設置された端末に顔をかざすだけで、ドアの鍵を開けられる仕組み。顔をかざすだけで誰でも簡単に認証ができるほか、スマホを持たない人でも利用ができ、一度登録すれば、別の対応する施設やサービスの認証にも使える。

「PASS」を活用した顔認証による解錠の仕組み
「PASS」を活用した顔認証による解錠の仕組み

 国家戦略特区である石川県加賀市の施設「加賀市イノベーションセンター」において既に採用されており、入館手続きを約80%短縮したとのこと。貸し出しや入退管理が必要な多目的スペースや会議室などで使えるほか、平時の仕組みをそのまま活用し、災害時に避難所や備蓄倉庫の解錠、受付にも活用できるとしている。

 加賀市イノベーションセンターは、高齢者を含むさまざまな世代の人々が利用する交流拠点。これまでは職員が施錠を管理していたが、新機能の導入により、鍵の管理が不要となり、顔認証は1秒で完了し、入館手続き全体の所要時間も約1分から10秒に短縮したという。

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