「Debian」「Fedora」「Arch」は、3大ディストリビューションであり、ほぼすべての「Linux」ディストリビューションのベースとなっている。ディストリビューションの海に石を投げ込めば、それらの1つをベースとしたOSに必ず当たるはずだ。
それが悪いことだと言っているわけではない。実際に、もし筆者が独自のLinuxディストリビューションを構築するとしたら、「Ubuntu」かFedoraをベースにするだろう。それはなぜか。そうした堅実で信頼性の高い基盤を持つOSを採用すれば、最初から強固な足場を築けるからだ。
ただし、独立系ディストリビューションを開発するのは悪いことだと言っているわけではない。独立系ディストリビューションは、いくつかの非常に重要な目的を果たしている。まず、重要なイノベーションをもたらしてくれる。また、Linuxで非常に多くのことを実行できることも証明してくれる。最後に、Linuxの世界により多様な選択肢をもたらしてくれる。
だから、筆者は独立系ディストリビューションを見つけたら、それがどんなものなのか知りたくなる。「openmamba」もその一例である。
openmambaにはどんな特徴があるのか
- ソフトウェアコンポーネントの配布にRPMパッケージ形式を使用し、アップデートマネージャーとしてDNFと「PackageKit」を使用する
- 「Flatpak」のサポートが含まれる
- ローリングリリースモデルを採用しており、最新のソフトウェアリリースにアップデートが継続的に提供される
- x86(64ビットだが、32ビットのレガシーサポートが含まれる)と「aarch64」(arm64)アーキテクチャーで利用できる
- デスクトップとサーバー、低リソースマシン向けのバージョンがある
これを見ると、Fedoraベースのディストリビューションでもおかしくないような印象を受ける。openmambaに新しい要素はあるのだろうか。それを確かめるため、実際にインストールしてみた。
openmambaを使った感想
最初に気づいたのは、インストーラーがFedoraよりもはるかにユーザーフレンドリーであることだ。実際に、openmambaのインストーラーはUbuntuと同じくらい使いやすいので、インストールは驚くほど簡単に完了した。
openmambaはサウンドやタッチパッド、ウェブカメラ、GPUに関して、幅広いハードウェアを認識できるため、デスクトップPCに最適だ。筆者はopenmambaをノートPCにインストールしていないので、無線チップのサポートについて語ることはできないが、この分野におけるLinuxの進歩を考えると、トラブルが発生する可能性は低いと思う。
インストールはわずか5分で完了した。その後、再起動して新しいアカウントにログインすると、仕事や遊び、エンターテインメントに必要なものがすべてそろっていた。プリインストールされたソフトウェアには、「LibreOffice」や「Firefox」「Kate」(高度なテキストエディター)、「Showfoto」(写真管理ソフトウェア)、「Skanlite」(スキャナーソフトウェア)、「Kamoso」(ウェブカメラソフトウェア)、「VLCメディアプレーヤー」「Filelight」(ディスク使用量を可視化)、「HP Device Manager」「Emoji Selector」「Smb4K」(ネットワーク近隣ブラウザー)などがある。
うれしい驚きが1つあった。ネットワーク上でフォルダーを共有するのに必要なものがすべて含まれていたことだ。フォルダーを右クリックして、「Properties」(プロパティー)を選択し、「Share」(共有)をクリックした後、1回のクリックでユーザーをsambasharesグループに追加できる。それが完了したら、変更を反映させるために、コンピューターを再起動する必要がある。

提供:Jack Wallen/ZDNET
openmambaには、「KDE Plasma」と「LXQt」の2つのデスクトップオプションがある。よりモダンなUIを使いたい人はKDEを、古いハードウェア向けの軽量なデスクトップを求めている人はLXQtを選択してほしい。