人工知能(AI)にお金を出すつもりなどないと人々は言うが、実際はそうでもないことを数字が示している。
米ZDNETとAberdeenが2025年3月に実施したAIアシスタントに関する調査では、製品やサービスのAI機能に追加料金を払うことをいとわないという成人の回答が、わずか8%だった。「Alexa」デバイスのAIを主とした米CNETの調査でも、同様の冷めた態度が見て取れる。
しかし、AIにお金を出す人の数は急増している。
Reutersが報じた新たな数字によると、「Google One」のサブスクリプション登録者数が1億5000万人を突破したという。1億人を突破した2024年2月からさらに50%の増加だ。
2018年に登場したGoogle Oneは、月額2ドル(日本では290円)のプランと月額10ドル(同1450円)のプランで、ストレージ容量の増量や追加機能など有益なサービスを受けられる。さらに、月額20ドル(同2900円)の「AIプレミアム」プランにすると、「Gemini Advanced」が利用できるようになるほか、「Gmail」や「Googleドキュメント」などのGoogle製品でGeminiが使えるようになる。
AIプレミアムプランは2024年2月に導入されたが、その時から、Google Oneのサブスクリプション登録者数がかつてないペースで増え始めており、これはおそらく偶然ではない。「Googleフォト」およびGoogle One担当のバイスプレジデントを務めるShimrit Ben-Yair氏によると、この有料プランには「何百万」という単位の登録者がいる。
1カ月前の報道によると、「ChatGPT」も有料版のサブスクリプション登録者の数が急増しており、「毎月少なくとも4億1500万ドル(約600億円)」の売り上げを得ているという。ChatGPTのサブスクリプションも月額20ドルだ。また、「Apple Intelligence」についても、有料化の際には同様の価格帯になるとうわさされている。
全体では、過半数がAIについてはまだこれからという状態のようだ。一般の人に質問すると、AIはまったく欲しくない、あるいは、まだお金を出すつもりはないという回答が返ってくる。しかし、AIを「すでに」取り入れている人たちは、AI機能の拡張にお金を出すことをいとわなくなってきている。

提供:Noam Galai/Getty Images
この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。