カーボンニュートラル(脱炭素)

invox、「invox炭素会計」を提供開始--AIでCO2排出量の算定を支援

ZDNET Japan Staff

2025-05-21 11:05

 請求書管理SaaSを手掛けるinvoxは5月21日、新サービス「invox炭素会計」の提供を開始したと発表した。請求データを基に、AIが二酸化酸素(CO2)の排出量算定で適切な排出係数を推定。サプライチェーンを対象とするスコープ3までの温室効果ガス(GHG)排出量の効率的な算定により、グリーン調達やカーボンクレジット利用のオフセットを支援するという。

 invox炭素会計では、同社が提供する「invox受取請求書」サービスに蓄積したデータを活用し、会計や請求などのデータからAIがスコープ3までの算出で適用すべき排出係数を推測、算出を効率化する。また、炭素会計アドバイザー資格を保有する担当者が算定から目標の設定、削減およびオフセット、情報公開まで支援する。請求書管理SaaSとの組み合わせにより脱炭素経営におけるコストや算定の手間などを軽減できるとしている。

排出量の算定イメージ(出典:invox)
排出量の算定イメージ(出典:invox)

 GHG排出量の算定では、会計データや請求情報などから適切な排出係数を設定して算出を行うが、特に取引先などを含むサプライチェーン全体が対象のスコープ3は、スコープ1(自社)やスコープ(自社および調達エネルギー)よりも対象範囲が非常に幅広く、同社は「15カテゴリーに区分し算定する必要があるため、さらに算定難易度が高くなる」と指摘する。

 同社が経理部門の請求書関連業務担当者(有効回答412件)へ1月27~28日に行った脱炭素経営に関するアンケート調査の結果では、スコープ1/2の算定ついて実施中が10.7%、数年以内に実施予定が13.3%、数年以内の実施予定はなしが40.8%、不明が35.2%だった。スコープ3の算定については実施中が8.7%、数年以内に実施予定が11.7%、数年以内の実施予定はなしが44.9%、不明が34.7%だった。

 また、従業員規模別では、スコープ1/2の算定の実施が1~29人で0.0%、30~99人で8.7%、100~299人で12.6%、300人以上で21.4%だった。スコープ3の算定では1~29人で0.0%、30~99人で5.8%、100~299人で10.7%、300人以上で18.4%だった。

 同社は、「日本の多くを占める中小企業では、炭素会計に必要な投資や人材の確保が難しいケースもあり、脱炭素経営への取り組みが進みにくい状況にあると考えられる。企業規模にかかわらず脱炭素経営に取り組む社会の実現を目指し、新サービスを加えた」と説明している。

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