Microsoft Build

マイクロソフト、「Edge」に3つのAI機能を追加--PDF翻訳など業務効率を向上

Lance Whitney (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2025-05-20 10:56

 Microsoftは、職場におけるブラウザーの管理と活用を促進するため、「Edge」に複数の新機能を追加している。米国時間5月19日に開催の「Build 2025」では、個人ユーザーとIT管理者向けの3つの新機能が発表された。

 まず、PDF翻訳機能が挙げられる。Microsoftが指摘するように、新しいデバイスの取扱説明書や、異なる言語で書かれた文書に基づくグローバルポリシーの社内チームへの周知など、PDFの翻訳が必要となる場面は少なくない。EdgeはPDFファイル内のテキスト翻訳に対応しているものの、手動で翻訳対象のテキストを選択する必要があり、この手間がファイル全体の翻訳には向かなかった。

 しかし、6月に提供が予定されている、より強力で効率的な翻訳機能では、ファイル全体を一括で処理できる。この機能は既にEdgeのCanaryビルドで利用可能だ。これにより、Edgeは70以上の言語でPDF全体を翻訳できるようになる。使用方法は、PDFをEdgeで直接開き、アドレスバーの翻訳アイコンをクリックするだけだ。ブラウザーがファイル内で使用されている言語を検出し、既定の言語に翻訳された新しいドキュメントを自動的に作成する。

 Edge for Business向けにも、AI搭載ツールの導入が進められている。AIチャットボットを繰り返し利用するタスクは、単調になりがちである。この課題を解決するため、「Microsoft 365 Copilot」にエージェント機能を追加される。例えば、営業アシスタントエージェントは、見込み客の創出、顧客とのやりとりのモニタリング、販売に関する洞察の生成を支援できる。このエージェントは、6月上旬に提供開始され、Edge for Businessサイドバーの「Copilot Chat」から利用可能となる。

 EdgeのCopilot Chatは、オンラインの「Word」「Excel」「PowerPoint」ファイルを分析し、要約したり、それらに関する質問に回答したりできるようになる。これにより、ユーザーがEdgeから離れることなくドキュメントを操作できるようになる。この機能は現在、Microsoft 365 Copilotのライセンスを保有する商用ユーザー向けにプレビュー提供されている。

 不適切なサイトをブロックするAI機能も搭載される。教育機関や中小企業などのIT管理者は、ユーザーが意図的であるか否かにかかわらず、不適切なサイトへアクセスすることを防ぐ必要がある。これには、ポルノサイトや詐欺サイト、マルウェアのインストールを目的としたサイトなどが含まれる。

 企業は多くの場合、サードパーティー製のフィルタリングツールに頼らざるを得ず、それでも独自のブロックリストを作成する必要がある。現在、Edge for Business向けにプレビュー提供されているウェブコンテンツフィルタリング機能を利用すれば、管理者は毎日更新されるリストから特定のカテゴリーを選択するだけで、不適切なサイトをブロックできる。コンテンツフィルタリングの設定は、Microsoft 365管理センターのEdge管理サービスから行い、フィルタリング結果は「Power BI」で追跡可能だ。

 ウェブコンテンツフィルタリングは、Edge for Businessを標準的に利用する学校や中小企業に無償で提供される。この機能は、Windows 10/11が稼働する管理対象のWindowsデバイスで利用可能である。学校や企業は、Microsoft 365のEducationまたはBusiness Premiumライセンスを取得し、「Microsoft Intune」を使用するだけだ。

提供:Screenshot by Lance Whitney/ZDNET
提供:Screenshot by Lance Whitney/ZDNET

この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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