JR九州グループ24社、「Bill One」で月次決算を加速--請求書業務を年間3700時間削減

NO BUDGET

2025-05-22 07:30

 JR九州ビジネスパートナーズを中心としたJR九州グループは、インボイス管理サービス「Bill One」を導入した。JR九州グループ24社が同サービスを導入し、月次決算の加速と大幅な業務効率化を図る。5月21日、同サービスを提供するSansanが発表した。

 Bill Oneは、請求書の受領、発行、経費精算など、経理における様々な課題を解決するインボイス管理サービス。JR九州ビジネスパートナーズは、グループ各社の経理・財務業務を受託するシェアードサービスを展開しており、Bill Oneの活用により、これまで紙で受領していたグループ全体の請求書をオンラインで一元管理する体制を構築した。

Bill One導入前と後の請求書業務フロー
Bill One導入前と後の請求書業務フロー

 導入の結果、グループ全体で年間約8万4000件の請求書がデジタル化され、3700時間以上の業務時間削減を実現し、各社の月次決算の迅速化につながった。また、請求書をオンラインで管理できるようになったことで、月末や月初に集中しがちだった業務が平準化され、人的リソースの有効活用にも貢献している。

 Bill One導入以前、JR九州グループでは、請求書の多くが各社の業務担当者によって郵送で受領され、経理担当者へ回覧された後、JR九州ビジネスパートナーズに再度郵送または手渡しされるというアナログな運用が行われていた。2023年10月からのインボイス制度導入に伴い、このプロセスにおける紙の郵送、回覧、確認作業がグループ全体で大きな時間的コストになっていたという。また、請求書の処理に手間がかかるため、担当者による確認や回覧の遅延が発生し、請求書が月末と月初に集中して同社に届くようになった。

 これらの課題を解決するため、同社はペーパーレス化を推進し、グループ全体の業務効率化と業務の平準化を目指し、Bill Oneを導入した。

 導入後、グループ各社もBill Oneを利用することで、紙や「PDF」などさまざまな形式の請求書をデータ化し、オンラインで一元的に集約する業務フローが確立された。これにより、紙の請求書に関連するアナログ作業が不要となり、グループ24社全体で大幅な工数削減が実現したという。さらに、取引先が請求書をオンライン上のBill Oneに直接アップロードできるようになったことで、多くの取引先が請求書のデジタル化に移行し、郵送の手間と時間が大幅に削減されている。

 またBill Oneの導入により、グループ各社の経理担当者は、Bill One上で請求書の処理状況をリアルタイムに確認できるようになった。これにより、請求書受領後に確認が滞っている担当者に対して、必要に応じて対応を促すことが可能になった。その結果、グループ会社の請求書を処理するJR九州ビジネスパートナーズでは、月末月初に集中していた請求書処理を平準化し、人的リソースを有効活用できる業務環境を構築できた。

 JR九州ビジネスパートナーズでは、当初、自社でのデジタル化を検討しAI-OCRも検証していた。しかし精度が不十分だったため、99.9%のデータ化精度を持つBill Oneの活用を決定したという。また、取引先の協力への懸念もあったものの、案内に応じて多くの取引先が効率化のメリットを感じ、オンラインアップロードに賛同したとのことだ。さらに、これまで受託していなかったグループ会社からのBill One利用希望も増え、受託会社の増加にもつながっている。

 今後は、Bill Oneのサポートを得ながら取引先のオンラインアップロード数を増やし、最終的には取引の大半をデジタルで完結できる業務フローの構築を目指すとしている。

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