OpenAIがハードウェア事業に参入することを正式に発表した。米国時間5月21日に投稿された「X」の動画で、同社 最高経営責任者(CEO)のSam Altman氏と、「iPhone」などを手掛けた元AppleデザイナーのJony Ive氏が、次世代のAI対応デバイスを共同で開発するパートナーシップを明らかにした。
AIソフトウェア会社であるOpenAIは、AIデバイスに特化したスタートアップのioと合併することを発表した。同社は、Ive氏が1年前に数人のパートナーと共に設立した。この合併に伴い、Ive氏と同氏のデザイン会社LoveFromのメンバーは、独立した立場を維持しつつ、OpenAIでクリエーティブな役割を担うことになる。
OpenAIはブログ投稿で、ioのチームはこれまで「人々に刺激や活力、可能性を与える製品の開発に力を注いできた」とし、今後はOpenAIと合併することで「サンフランシスコにいる研究、工学、製品のチームとより密接に協力することになる」と述べている。ただし、投稿には詳細な情報はほとんど明らかにされていない。
Altman氏は動画の中で、新しいパートナーシップの下でOpenAIが開発を目指すハードウェアについて、「これを民主化したい。誰もがこれを利用できるようにしたい」と述べている。
同氏はさらに、科学者がOpenAIのモデルを使うことでどのようにして画期的な研究を加速させているかに言及しつつ、AIハードウェアが「社会全体のためにより豊かなものを生み出すきっかけになる」ことに期待を寄せた。
OpenAIが先ごろから、ウェアラブルやロボティクスといったハードウェア分野に関心を示していた。この分野は急速に進化しており、主要なハードウェアプロバイダーのほとんどが、AI対応のスマートフォンやノートPCなどを発売している。必ずしも成功しているわけではないが、より実験的な領域では「Humane Pin」や「Rabbit R1」のようなデバイスもある。AIを活用して全体的な洞察を提供するヘルスケアウェアラブルは急速に成長している。
OpenAIが最初にどのハードウェアカテゴリーをターゲットにするかは不明である。動画によると、両社が何かの製品をリリースするのは2026年以降になりそうだ。しかし、Altman氏は動画の中で、初期製品のプロトタイプについて「世界がこれまでに見た中でもっともクールな技術の一部」であると漠然と述べている。
The Wall Street Journalによれば、Altman氏とIve氏はカメラデバイスやヘッドホンを製品候補として検討しているが、まだ具体的な決定には至っていないという。

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この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。