キヤノンマーケティングジャパンは5月21日、食器認識AIエンジンを搭載した「社員食堂自動精算サービス」の提供を開始すると発表した。社員食堂の精算を画像解析技術で自動化する。提供開始は7月下旬から。

食器認識AIエンジンによる「社員食堂自動精算サービス」の概要図
食器認識AIエンジンは、キヤノンが持つAI認識・画像解析技術とネットワークカメラの撮影ノウハウを活用し開発したもの。トレー上の食器画像を解析し、食器の種類を判別するとともに、食器以外の物体を認識した場合でも排除することで、高精度の認識を実現する。
約5000カ所あると言われる日本国内の社員食堂では、自動で食器を認識して精算するシステムが多くの食堂で導入されている。現在、食器の裏に貼り付けたRFID(Radio Frequency Identification)タグを用いた方法が一般的だが、RFID対応以外の食器では利用できないという課題があった。
新技術は、画像解析方式のため、RFID対応の食器だけでなく、通常の食器も使用することが可能。定期的な食器のメンテナンス作業が不要で、運用面における作業負荷の軽減にもつなげる。
キヤノングループの社員食堂44カ所で検証したところ、食器コストを85%削減することに成功したとのこと。キヤノンマーケティングジャパンでは、この社員食堂自動精算サービスを、2030年までに全国の社員食堂の3割に導入することを目指すほか、飲食店などへの展開も見据えている。