自動車産業向けの高精度ネジ・ボルトを製造するヤマシナ(京都市)は、自動車部品の複雑な生産工程を支える基幹システムをアジャイル開発で刷新した。JBCCが5月22日に発表した。
今回のシステム刷新には、JBCC独自のアジャイル開発手法とローコード開発ツール「GeneXus」を活用。プロジェクトの過程では、ヤマシナの技術者が自社でシステムを開発・運用できるよう、JBCCが支援も行っている。また、今後ヤマシナが合併買収(M&A)を行った際にも、新しいグループ会社へのシステム展開をスムーズに進められるよう、継続的に協力していく体制が整えられた。
ヤマシナが以前使用していた基幹システムは、15年前に導入された販売管理パッケージに製造部門向けの大規模なカスタマイズが施されたレガシーシステムだった。約200本の自社開発プログラムをサブシステムとして追加し、業務に対応していたものの、ソフトウェアとハードウェアの保守期限が迫っていた。さらに、業界や法規制への対応が難しく、近年M&Aによって増えたグループ企業へのシステム展開も困難な状況で、早期の刷新が求められていた。
しかし、1000種類以上あるネジ・ボルトの生産工程はそれぞれ複雑で多岐にわたるため、既存のパッケージソフトで全てをカバーすることは困難だった。そこでJBCCは、ヤマシナの複雑な業務に合わせてシステムを開発することを提案。大規模な基幹システム開発を得意とする超高速開発の手法を用い、ヤマシナの現場担当者や情報システム部門とJBCCが一体となって、試作段階から迅速に改善を重ねた。この結果、生産工程の進行状況が可視化され、業務効率の向上と意思決定の迅速化に貢献するシステムが実現したという。