コンピューター関連の総合展示会「COMPUTEX TAIPEI 2025」が現地時間5月20~23日に台湾・台北市で開催された。米ZDNETでは、コンピューティング分野の最新ガジェットをくまなく取材している。AIはあらゆる場所で存在感を示しており、処理性能、電力効率、次世代NPUといった点で、これまでの進歩をさらに引き上げるという共通の方向性が見て取れた。
NVIDIAとAdvanced Micro Devices(AMD)は、それぞれ「GeForce RTX 5060」シリーズと「Radeon RX 9060 XT」シリーズという新しいGPUを発表した。また、Intelは、新しい「Panther Lake」シリーズのプロセッサーと、それらを搭載するデバイスの一部を披露した。
しかし、注目はノートPCやコンピューターにとどまらず、新しいゲーミングハンドヘルド、ASUSの分離キーボード、Acerのスマートリングなど魅力的なデバイスも展示されていた。
1. NVIDIAの新型GeForce RTX 5060

提供:Kyle Kucharski/ZDNET
NVIDIAの基調講演で、最高経営責任者(CEO)のJensen Huang氏は幾つかの発表を行った。まず、同社が台北の北投士林科学園区に新本社を設立し、台湾に拠点を置くというものだ。しかし、消費者にとってより関連性が高かったのは、「Blackwell」アーキテクチャーに基づいた、競争力のある価格の最新GPUであるGeForce RTX 5060だろう。
ASUSの「TUF Gaming A18」は、高い耐久性と手頃な価格を特徴とするゲーミングシリーズから登場した初の18インチモデルであり、GeForce RTX 5060と「AMD Ryzen 7 260」プロセッサーを搭載している。240Hzの2.5Kディスプレーと、2つのPCIe 4.0 SSDを搭載し、1599ドルという手頃な価格から手に入るため、18インチゲーミングノートPCとしては、非常に魅力的な選択肢の1つだと言える。

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正反対の方向性を示しているのが、新しい「Razer Blade 14」である。これはRazer Bladeシリーズで、最も薄く軽い(厚さ0.62インチ)モデルであり、NVIDIAの新型GPU、「AMD Ryzen 9 AI 365」、3K OLEDディスプレーを搭載している。Razerの狙いは、高機能なハードウェアを搭載しながらも、市場で最高のゲーミングノートPCを作るのではなく、オフィスで使える洗練されたデバイスとして、仕事以外の時間にはゲーミングノートPCとしても機能させる点にある。
Razer Blade 14はCOMPUTEX会場で展示されていなかったが、NVIDIAの基調講演と同時に発表された。価格は2699ドルからとなっている。
2. ASUS ROGのゲーマー向け分離キーボード

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この1年で、セパレート型やエルゴノミクスデザインのキーボードが幾つか登場した。その中でも、ASUSの「ROG Falcata」ゲーミングキーボードは、ゲーマーに対してある問いを投げかけている。「W、A、S、Dキーしか使わないなら、キーボードの右側部分は必要なのか?」
この新型キーボードは完全なワイヤレス仕様で、マグネット式スイッチを採用している。他の分離キーボードと同様に、ユーザーの手に合わせて最適な位置に配置できる。マグネット式スイッチは非常に満足のいく、レスポンスの良い打鍵感を実現しており、ASUSは1億回のキーストローク寿命をうたっている。
個人的な意見としては、キーボードの左右をつなぐ接続ケーブルが少し不格好に感じられた。Falcataは2025年夏に発売予定だが、価格はまだ発表されていない。
3. Acerが発表した手頃な価格のスマートリング

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スマートリングが抱える課題の1つに、デバイス本体の価格とサブスクリプション料金の両方が挙げられる。この2つの問題に対し、Acerは競争力のある約199ドルという価格設定と、サブスクリプション不要という特徴を持つデバイスでスマートリング市場に参入した。
このチタン製スマートリングは、ブラックとローズゴールドの2色で7サイズ展開される。バッテリー持続時間は4日間で、心拍数、血中酸素レベル、睡眠の質といった、競合製品に見られる主要な健康指標を提供する。
「Oura Ring 4」や「Ultrahuman Ring Air」といった、より高機能なスマートリングには常に一定の需要があるだろう。しかし、手頃な価格帯の市場、特に200ドル前後のデバイスには、まだ大きな可能性がある。個人的には、2025年夏に発売予定のAcerの「FreeSense」スマートリングを実際に試すのが楽しみである。