ふくおかフィナンシャルグループのみんなの銀行は5月27日、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)が同日発表した新たな金融サービス「エムット」での勘定系に、フルクラウド型銀行システムが採用されたと発表した。
今回MUFGに採用されたのは、みんなの銀行と、2021年から本格稼働している同行の基幹システムを開発・運営するゼロバンク・デザインファクトリー、アクセンチュアが共同開発しているもので、Google Cloud上で稼働する。みんなの銀行は、2022年11月に自行のこのシステムを外部の金融機関や非金融業企業などに販売することを発表しており、今回が初の外部提供になるという。

三菱UFJフィナンシャル・グループが定系に採用するフルクラウド型銀行システム(出展:みんなの銀行)
MUFGへの提供について、みんなの銀行 取締役頭取 兼 ゼロバンク・デザインファクトリー 取締役社長の永吉健一氏は、「国内初のデジタル銀行として2021年のサービス提供以来、現在130万口座と全国の顧客に利用いただいている。開業以降デジタル銀行に求められるシステムや機能、デザインなどに関する技術や知見を蓄積・アップデートしてきた結果、この度本システムの初の外部提供に至ったことは価値ある一歩だと考えている」とコメントした。
また、アクセンチュア 常務執行役員 金融サービス本部 アジアパシフィック統括 兼 日本統括本部長の中野将志氏は、「本システムは、既存システムに部分的に組み込んでいただけるコンポーネント化も前提としているため、国内外問わず銀行、ノンバンク、非金融事業者様に幅広くご利用いただくことが可能」と説明。グーグル・クラウド・ジャパン 日本代表の平手智行氏は、「本システムはクラウドネイティブな思想の基に設計されており、『Google Kubernetes Engine』や『Spanner』『Vertex AI』など、最新のクラウド技術を採用している」と述べている。
MUFGが発表したエムットは6月2日に提供を開始する予定で、個人向け事業の中核に位置付けられている。まずは、三菱UFJ銀行のアプリの刷新、新たなポイントアッププログラムなどを展開し、2026年度に今回採用したシステムによるデジタル銀行サービス(2026年度後半予定)や、グループ共通ポイントプログラム「エムネットポイント」などをリリースする。

新金融サービス「エムット」での新デジタル銀行のイメージ(出典:三菱UFJフィナンシャル・グループ)