エクサウィザーズとNTT Com、資本業務提携を締結--AI領域のさらなる事業開発を推進

ZDNET Japan Staff

2025-05-28 17:16

 エクサウィザーズとNTTコミュニケーションズ(NTT Com)は5月28日、資本業務提携に関する契約を締結した。これにより、NTT ComのAI基盤や業界別ソリューションと、エクサウィザーズのAIエージェント開発・運用プラットフォームを掛け合わせ、各企業向けにカスタマイズした信頼性の高いAIエージェントを開発・運用できる安全なAIプラットフォームを提供するという。

 企業におけるAI活用の検討が進む中で、業務データを扱う上でのセキュリティに関する懸念や、汎用(はんよう)型AIでは使用者のスキルに依存してしまい、会社全体での活用が進まないという課題がある。両社は、安全なAIプラットフォームや業界・業務特化型AIエージェントの開発を共同で行う。各企業が保有する業務データを適切に扱いながら、業界・業務に適合したAI活用を支援し、企業の生産性向上に貢献するとしている。

 両社は、ナレッジ検索システムなど、顧客企業の従業員満足度を向上させるソリューションの提供などの実案件を重ねながら協業関係を深めてきた。今回の業務提携では、NTT Comが持つ特定の業界・業務に関する知識や顧客基盤などの事業資産と、エクサウィザーズが有するデジタルやAI領域の技術力と事業開発力を生かし、AI領域におけるさらなる事業開発を推進する。

 具体的には、NTT Comが提供するIaaS(Infrastructure as a Service)の「SDPF クラウド/サーバー」やセキュリティ一体型ネットワークサービス「docomo business RINK」などを組み合わせたAI基盤と、エクサウィザーズが提供するAIエージェント開発・運用プラットフォーム「exaBase Studio」を組み合わせ、各企業が保有する機密性の高い業務データなどの情報をセキュリティポリシーに合わせた安全な環境で管理し、業務に合わせてカスタマイズできるAIエージェント搭載のプラットフォームを共同で開発・提供する。

 また、高い専門性が求められる業界・業務に特化したAIエージェントを共同で開発・提供するという。最初は、金融・公共・製造を対象としたサービスの提供に取り組むとしている。

 加えて、NTT Comの業界別ソリューションにエクサウィザーズのAIサービス群を加え、販売活動を加速していく。AIサービスには、生成AIサービス「exaBase 生成AI」「exaBase 生成AI for 自治体」「exaBase 生成AI for アカデミー」などが含まれる。

 NTT Comはこの業務提携について、「当社の業界別ソリューションや社会産業プラットフォームとエクサウィザーズの高度なAI技術を融合させ、真に業務で活用できる品質の業界特化型AIエージェントの創出を目指す。今後、両社の強みをもとに各産業でのAI活用や浸透をリードし、生産性向上や産業振興を通じて、スマートワールドの実現に挑戦していく」とコメント。

 エクサウィザーズは、「今後、企業における生成AIやAIエージェント活用が当たり前となる時代の中で、企業自らがAIエージェントを作り、運用できる環境として大切になるセキュリティの高いインフラに強みを持つNTT Com との協業を通じて、企業の皆さまの課題解決を目指す」と述べた。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]