AIとのやりとりにおいて、プロンプトをタイプ入力よりも音声対話の方が、より活発で便利、簡単だと感じることが多い。「ChatGPT」「Google Gemini」「Microsoft Copilot」と同様、「Claude」にも独自の音声モードが搭載された。
Anthropicは米国時間5月27日、Claudeの「iOS」「Android」アプリで音声モードのベータ版を提供すると発表した。この機能は英語環境で利用でき、数週間のうちに無料プランを含む全てのClaude AIプランで提供される予定。ユーザーはAIと音声で会話を始め、その後も音声でのやりとりを続けられる。
筆者はChatGPTやCopilotなどのAIで音声モードを頻繁に利用している。親しみやすく情報が豊富なボット(特にイギリス英語のアクセントを持つもの)とハンズフリーでチャットできるこの機能は気に入っている。質問をしたり、トピックを調べたり、コンテンツを生成したりと、多岐にわたる用途で活用している。また、会話の書き起こしが後から参照できるようになっている点も便利である。
Claudeの音声モードは展開が始まったばかりであるため、筆者のiPhoneやAndroidデバイスにはまだ搭載されておらず、現時点では試すことができない。同様に、この機能がユーザーのデバイスに表示されるまで、しばらく待つ必要があるだろう。しかし、Anthropicの新しいサポート記事によると、その仕組みは以下の通りである。
まず、モバイルデバイスでClaudeアプリを開く。音声モードが利用可能になっていれば、マイクアイコンの隣に新しい音波型の記号が表示されるだろう。この記号を初めてタップすると、さまざまな音声やオプションの中からチャットパートナーをカスタマイズできる。あとは話しかけるだけで、Claudeは選択した音声で応答する。
Claudeとの会話中には要点が表示される。また、同じ会話内でテキストと音声の切り替えも簡単に行える。「Claude Pro」「Claude Max」のユーザーであれば、ウェブ検索や「Google Docs」「Google Calendar」「Gmail」からのコンテンツを音声会話に統合できる。
無料ユーザーは、1日当たり20~30通の音声メッセージを交換できるが、それを超えると制限がかかる。一方、有料ユーザーには、これよりも大幅に高い上限が設定されている。
幾つかの操作ボタンも表示され、上向きの矢印をタップするとClaudeに音声メッセージが送信され、停止ボタンをタップするとClaudeの発話を中断させられる。プラス記号をタップすると、カメラや写真ライブラリー、ファイルにアクセス可能だ。会話を終了するには「X」をタップする。また、音声を変更したい場合は「Settings」から「Voice Preferences」を選択する。
Claudeとはさまざまな目的で会話できるが、Anthropicは以下のようなやりとりを提案している。
- 日々の計画:1日の始まりに、Claudeに今後の会議、重要な電子メール、関連ニュースについて最新情報を聞く
- 学習:通勤、運動、家事などをしている最中に、Claudeにさまざまなトピックについて教えてもらう
- 創造的な思考:プロンプトに質問やコメントを入力する代わりに、Claudeの音声モードを使って声に出して考える手助けとする
- 準備:Claudeを練習相手として、重要な面接や議論に備える
- アイデアの記録:思いついたアイデアをClaudeに共有して記録する。AIはフィードバックを提供するだけでなく、会話終了後に考えを振り返られるよう書き起こしを記録する

提供:Anthropic / Elyse Betters Picaro / ZDNET
この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。