日立ソリューションズ東日本は5月29日、農作業自動記録サービスの試験導入を北海道内10カ所のJAで開始したと発表した。
このサービスは、スマートフォンのGPS位置情報を活用し、AIが移動軌跡を分析することで、農作業データを自動的に記録する。これにより、農作業者は作業中に記録を手入力する負担から解放される。2024年度に北海道内のJAで行われた事前実証を経て開発された。

農作業自動記録サービスの全体像

導入前後の作業の比較
具体的には、栽培カレンダーや過去の作業実績と、農作業者の位置情報の移動軌跡を基に、いつ、どこで、どのような作業が行われたかの記録をAIが自動で作成する。導入により、作業者は記録の手間が省け、記録漏れもなくなる。また過去の実績も容易に確認でき、比較も可能になる。作業の進捗(しんちょく)状況や気づきを関係者間でリアルタイムに共有できるため、より効果的な指導や支援、迅速な問題特定と対策が可能になるという。このほか全体の作業時間の集計もリアルタイムで行えるようになる。
試験導入の対象となるJAは、いわみざわ農業協同組合、帯広市川西農業協同組合、小清水町農業協同組合、鹿追町農業協同組合、新篠津村農業協同組合、新得町農業協同組合、十勝清水町農業協同組合、中札内村農業協同組合、東旭川農業協同組合、ようてい農業協同組合(五十音順)の10カ所。
日立ソリューションズ東日本は、今回の試験導入の結果を踏まえ、全国のJAや農業法人に向けてソリューション提案を進め、持続可能な農業経営の実現に貢献していく方針だ。