少し前まで、AIチャットボットは無料で利用できるのが一般的だった。しかし、OpenAIが「ChatGPT Plus」プランを導入したことで、利用者の関心が一気に高まり、他社もそれに続く形で有料プランを展開した。Anthropicの「Claude Pro」も同様に機能が強化され、より高度なサービスへと進化を遂げている。
Anthropicは米国時間6月3日、Claude Proプランの利用者が、これまで上位プラン専用だった「Research」と「Integrations」という2つの主要機能を利用できるようになると発表した。これらの機能は、もともとより高額な「Max」「Team」「Enterprise」プランに限定されていましたが、今回の変更により、月額20ドルのProプランにも含まれるようになった。
Research機能は、GoogleやOpenAIの「Deep Research」に相当するもので、Claudeが自律的に数百の情報源を調査し、信頼できる引用を含んだ詳細なレポートを作成する機能である。
AnthropicがChatGPTのような他社製品に対して持つ強みは、Research機能がウェブだけでなく、アプリや「Google Workspace」といった外部サービスにも対応している点にある。これにより、ユーザーのニーズに合わせて、より的確にレポートをカスタマイズできる。さらに、Claudeはユーザーが手動で情報を入力しなくても、メールやドキュメントなどのデータを自動で検索できるのも大きな利点となる。
Anthropicは2024年、AIアシスタントやエージェントをデータシステムに安全かつスムーズに接続するためのオープン標準「Model Context Protocol(MCP)」を発表した。同プロトコルは業界全体での採用が進んでおり、ここ数カ月の間にMicrosoft、OpenAI、Googleといった主要企業もサポートを表明している。
Integrations機能により、開発者はClaudeの機能を活用して、MCP準拠のアプリケーションを開発できる。また、ユーザーはそれらのアプリをClaudeと接続可能である。現在、Confluence、Zapier、Cloudflare、Asana、PayPalなど、10の主要サービスと連携でき、カスタム作成にも対応する。
同機能は、ユーザーごとの状況や情報を活用するAIアシスタンスにとって非常に価値があり、より実用的でパーソナライズされた体験を提供するためのカギとなる。特にAIエージェントを効果的に活用するには、セキュリティとプライバシーを確保しながら、AIを既存のデータシステムに統合することがこれまで以上に重要になっている。

提供:Sabrina Ortiz/ZDNET
この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。